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世帯年収2000万円以上の富裕層にみられる価値観・消費嗜好5つのタイプとは?

2024.09.07

富裕層向けサービスに関して高い満足度と継続的な関心

本調査では、富裕層向けのコンシューマー関連サービスの利用実態についても質問している。多くのサービスにおいて、一度でも利用したことがあると回答した割合は3割を超えたほか、利用者の6割以上が満足していると回答している。

最も利用率と満足度が共に高いのは、ラウンジサービス、次に満足度が高いのは、「予約困難なホテルやレストランの確保」「コンサートやイベントの先行予約・優先予約」といった、希少性の高いものであり、「機会があれば継続したい・利用してみたい」という潜在顧客も3割存在することから、サービスの利用価値を認知させることで顧客層の拡大が期待される。

ラウンジサービスの次に利用率が高い「百貨店外商」は、約3割が継続利用をしており、利用者の1割以上は「ほぼ毎日」何らかの形でコミュニケーションを取っていると回答している。

しかしコミュニケーションの頻度については、百貨店外商利用者全体で2割が現在の頻度は多いと感じており、顧客のライフスタイルを理解した効率的かつ効果的な頻度の検討が求められる。

■旅行に関連する支出意欲が高い富裕層は、世代間で求める価値や重視するポイントが異なる

富裕層において「今後消費額を増やしたいもの」の上位は「国内旅行」「海外旅行」であり、ともに約3割が回答している。旅行に関する消費意欲が高い富裕層であるが、「旅行において優先する価値」は、金銭的価値や時間的価値よりも、性年代問わず特別な体験ができるなどの「質的な価値」が最も優先される結果となった。

しかし、男女ともに若年層ほど安さや費用対効果などの「金銭的価値」を優先し、女性は年代が上がるほど利便性など「時間的価値」を優先する傾向が見られた。

また、世代間での差は「旅行において重視する行動」においても窺える。年代が若いほど特定の座席やクラスなど「移動」を重視する一方で、年代が上がるほど「宿泊施設」の質にこだわりを持っている。

国内外を含め、旅行への支出意欲が高い富裕層に対して、消費パターンと世代間の違いを理解し、それぞれのニーズに合わせたサービスの差別化、マーケティング戦略を展開することが求められる。

■価値観や消費嗜好の異なる5タイプの富裕層

今回の調査結果から得られたライフスタイルや消費に関する価値観を元に、国内富裕層には以下の5つのタイプがあることを独自に見出した。一口に富裕層と言っても、社会的「伝統派」、品質や個人の好みを重視する「個性派」、合理性や実用性を重視する「堅実派」、トレンドに敏感な「先進派」、そしてそれらに左右されない「無色派」が存在することがわかった。

コンシューマー業界では、富裕層ならではのニーズに対してパーソナライズされた情報やサービスの提供に重点を置く企業も多いが、よりターゲットやアプローチを広げるにあたっては、消費行動や嗜好に関するデータの活用による、自社および未来のターゲット層の理解を深め、適切なタイミングで個々に求める価値を踏まえた提案をすることが求められている。

調査概要
調査日/2024年5月上旬
調査方法/インターネットを利用したパネル調査(47都道府県)
調査対象/世帯年収2000万円以上の全国20歳~79歳の男女1821人
※統計局2024年4月発行の人口データを元にウエイトバック値を反映

関連情報
https://www2.deloitte.com/jp/ja.html

構成/清水眞希

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