グリコグループに入った冷凍食品のサブスクサービス「GREEN SPOON」がめざす、デジタルマーケティングによるシナジー効果
2024.09.06参画後初の新商品はグリコのアーモンドミルク『アーモンド効果』と、適正糖質生活をサポートする『SUNAO』とのコラボ商品。
「GREEN SPOONの特徴はスピード感のある開発です。今回の開発期間は約2ヶ月弱で、コンセプト決めからレシピ開発、試食の調整までこの期間でやり切りました」(株式会社Greenspoon 開発責任者 小池優利氏)
〇「GREEN SPOON×アーモンド効果」コラボ商品
『Mama Marron 栗とごぼうの味噌仕立てアーモンドミルクスープ』『Papa Potato さつまいもと国産チキンのアーモンドミルクシチュー』、『Pumpkin Kids かぼちゃとオニオンのアーモンドミルクポタージュ』の3種のスープ。価格は各812円(定期購入12食の場合)で、9月17日よりGREEN SPOON 公式通販サイトで発売する。
「栗、さつまいも、かぼちゃといった秋の食材にアーモンドを合わせた、優しいスープに仕上げています。『アーモンド効果』でも使われているアーモンドペーストを使ってスープを開発しました。
私たちが提供するスープは水や牛乳、植物性ミルクを加えて仕上げるのですが、今回は『アーモンド効果』を割材として加えるとさらに香ばしく、甘みやコクが出て、よりリッチな味わいに仕上がるようにしています。朝食や、レンジで温めてスープジャーに入れれば外出先でランチとしても楽しめます」(小池氏)
秋の味覚の代表格の栗を採用した『栗とごぼうの味噌仕立て~』は、具材は食物繊維が多く含まれている栗、ごぼう、れんこん、アーモンド、調味料には発酵食品である赤味噌や白味噌、醤油麹、えのきパウダーなど使っており、腸の働きを整えたい人におすすめのスープ。
『さつまいもと国産チキン~』は、乱切りの皮付き、ダイスカットとカットサイズの異なるさつまいもを使用。にんじん、いんげん、アーモンドスライス、鶏むね肉が入っているシチュー仕立てのスープ。
にんじんのβカロテン、アーモンドのビタミンE、いんげん、さつまいものビタミンCは抗酸化作用があり、組み合わせることでアンチエイジング効果が期待できる。健やかな肌を保ちたい人におすすめのスープ。
『かぼちゃとオニオン~』もさつまいものクリームシチューと同様、2種類のカットサイズの違うかぼちゃを採用して食感の違いも楽しめる。ブロッコリー、オニオン、アーモンド鶏むね肉の具材が入り、スープにもかぼちゃパウダーを使用して、かぼちゃの甘みがたっぷり詰まったスープに。
かぼちゃのビタミンAには粘膜を健やかに保つ働きがあり、アーモンドのビタミンEには、体内で増えすぎると様々な健康被害を引き起こす可能性がある“活性酸素”から体を守る働きがあると言われており、体調がゆるぎやすい季節におすすめのスープ。
「かぼちゃは食物繊維も豊富なので消化の働きを助けたり、ビタミンCやβカロテンが多く含まれているので抗酸化作用も期待できます。紫外線をたくさん浴びた体をいたわってあげられるような効果も期待できるので、まだ暑さが続いている時期にぜひ召し上がっていただきたいと思っています」(株式会社Greenspoon 商品開発担当・管理栄養士 岡崎理子氏)
〇「GREEN SPOON×SUNAO」コラボ商品
『Feeling Good チーズとろける完熟トマトの贅沢ナポリタン』『Citrus girl イタヤ貝とスナップえんどうの濃厚レモンクリームパスタ』『Suite Class 芳醇マッシュルームとほうれん草のきのこソースパスタ』の3種のパスタ。価格は各950円(定期購入12食の場合)で、12月13日よりGREEN SPOON 公式通販サイトで発売する。
アイスからスタートしたSUNAOは、2022年には乾麺のパスタ、パスタソースも展開。今年の5月にはSUNAOブランド初となる冷凍食品の『ごろっと具材の生パスタ』を発売し、今回のコラボ商品にもこの冷凍生パスタ麺を使用している。
「SUNAOの糖質を抑えたパスタを使用して、すべて350キロカロリー以下のヘルシーなパスタとして開発しました。通常のパスタは400~600キロカロリーほどの高カロリーが多いのですが、私たちは野菜を提供している会社でもあるので、罪悪感なく楽しめるおいしいパスタというところで低糖質・低カロリーも開発のコンセプトとして、不足しがちな食物繊維もしっかり補えるようなパスタにしています。
もちもち食感のオリジナル生パスタと濃厚な味づくりを両立したリッチな味わいになっています。糖質を抑えた麺はちぎれやすく食感の悪さもありますが、SUNAOとコラボすることで、おいしさを維持しつつヘルシーな商品が完成しました。
また、コラボレーションにより、従来のパウチ形態だと難しかったロング麺を、今回はトレイで提供することになりGREEN SPOONとして初めてロング麺が実現しました」(小池氏)
「野菜が摂れて糖質が控えめなパスタを実現するために、野菜のカットサイズにかなり配慮しました。パスタとゴロゴロ野菜だとフォークにうまくまとまらず食べづらいので、少し小さめのブロッコリーを採用したり、食感の良いスナップエンドウなどの野菜を採用したり、野菜については試行錯誤しながら選定しました。
ナポリタン、クリーム系と王道のパスタもありますが、他では食べられないような味わいを目指しました。ナポリタンはソテー感を出すためにコーヒー粉を入れてコクや深みを出すようなレシピにしました。
レモンクリームパスタではフェンネルというハーブを効かせて、また食べたくなるような味わい深い味に仕上げています。
きのこソースのパスタでは具材のマッシュルームはもちろん、ソースにもきのこをたくさん使用しています。マッシュルームペーストやシャンピニオンエキス、椎茸エキス、えのきパウダーなど複数のきのこの旨味を凝縮させて、きのこ好きの方にも納得していただけるきのこ尽くしの味わいに仕上げました」(岡崎氏)
【AJの読み】拡大する食品のD2Cに寄与するGREEN SPOONの参画
食事宅配サービスが林立している今の時代、どのサービスを選ぶかは目的やレシピの数、味や素材、家族構成など、選択の基準が人によって異なる。筆者はGREEN SPOONは未体験なので、味についてはジャッジできないが、「一人暮らしに人気」「野菜がたくさん摂れる」「おしゃれだけど少し値段が高め」といった健康意識の高い人が好むイメージがある。
コロナ禍以降、食品のD2Cブランドは拡大しており、江崎グリコの木村氏が話していたように、GREEN SPOON がGlicoグループに加わったことにより、健康ジャンルを中心としたグリコのD2Cブランド化が進むものと思われる。
取材・文/阿部純子