グリコグループに入った冷凍食品のサブスクサービス「GREEN SPOON」がめざす、デジタルマーケティングによるシナジー効果
2024.09.06■連載/阿部純子のトレンド探検隊
グリコの販路アセットとGreenspoonのデジタルマーケティングによるシナジー効果
今年6月にGlicoグループに参画した、冷凍ヘルシーミールの定期宅配サービス「GREEN SPOON」が、参画後初の取り組みとして、「アーモンド効果」と「SUNAO」のコラボ新商品を共同開発した。
GREEN SPOON はサイバーエージェント出身でABEMA設立にも携わった田邊友則氏が2019年に設立。管理栄養士監修のオリジナルレシピによる、メインディッシュ、ライス&パスタ、スープ、サラダ、スムージーと全70種以上のメニューを冷凍で届ける宅配サービス。
1食分の食材と調味料が個包装で届き、電子レンジ5分(スムージーはブレンダー使用で5分)で調理できる。
野菜が簡単にしっかり摂れることで好評を呼び、累計会員数は17万人で販売の約9割はサブスク会員となっている。利用者は30~40代がメイン、一人暮らし、二人暮らしの利用が全体の約8割を占める。
「GREEN SPOONの成長に欠かせないのはソーシャルメディア。SNSで多くの方々に投稿をしてもらい、メディアでも数多く紹介され成長してきました。
6月にGlicoグループに参画いたしましたが、グリコのビジョン『すこやかな毎日、ゆたかな人生』、GREEN SPOONのビジョン『自分を好きでいつづけられる人生を。』が、人生というレイヤーで人々に貢献したいという思いで共通していました。
すこやかな毎日を実現するための食品をサブスクリプションで提供している私たちとは非常に相性が良いと感じています。
グリコは創業者の江崎利一さんの時代から、世の中にないものを生み出す独自性があります。棒にチョコをつけたポッキーとか、キャンディみたいな丸っこいアイスの実、ソフトクリームみたいな形のお菓子のカプリコ、発想もネーミングもクレイジーですよね。企画会議でこんなクレイジーな商品をまじめに話していると思うと驚きです(笑)。
GREEN SPOONのパッケージ見て食品だと分かる人はあまりいないと思います。他社が真似できないグリコの独自性はGREEN SPOONと共通していると感じています。
今後オフラインでの展開も考えていた我々と、デジタル展開を進めていきたいグリコの考えが合致したこともグループに参画した理由のひとつです。
グリコの持つ100年を超える食品ナレッジと圧倒的な販路アセット、GREEN SPOONのデジタルマーケティングと超スピード感のある商品開発がシナジーを生み出すと考えています」(株式会社Greenspoon 代表取締役社長 田邊友則氏)
「江崎グリコはリテーラー(小売業者)を通すビジネスがまだ多いのが現状です。GREEN SPOONが得意としているデジタルコミュニケーションの強化を期待しながら、ダイレクトにお客様とつながるビジネスを加速させていきたいと考えており、ダイレクトにつながることでお客様からのフィードバックをいただき、商品の改良に活かすビジネス形態のスキームを作っていきたいと考えています」(江崎グリコ株式会社 執行役員 健康イノベーション事業本部長 木村幸生氏)