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コンビニフードや外食でもOK!今すぐ始められる「プラントベース」の知られざるメリット

2024.09.05

ワンプレートで栄養バランスをとる

まずは気軽にプラントベースに親しんでみて、もっと本格的に取り入れたいとなったら、ふだんの食事を切り替えてみよう。

池田夫婦の毎日の食事を見せてもらった。何をどんなふうに食べているのだろう?

彩りもよく、かなりボリューミー!

「わが家では、2019年にカナダ政府が発表した食事の栄養バランスガイドを参考にしています。

用意するのは、26cmくらいのお皿。1/2に葉野菜を中心とした野菜と果物。1/4に植物性タンパク質。そして、1/4に全粒の穀物類というバランスで食べています。このバランスは外食でも変わらないので、覚えておくといいですね」

プレートを作るうえで、ポイントは3つ。

(1) 野菜をたっぷり摂る

旬の野菜をたっぷり摂ろう。「果物は朝だけでOK。夜は基本的に食べません」

「野菜をたっぷり摂りましょう。中でも緑の葉野菜は、〝血〟をつくると考えられています。加熱したものでもよいですが、Whole Foodsでいえば生が望ましいですね。ミックスリーフやサニーレタスのほかに、おすすめは生の小松菜です。手に入りやすく、価格もリーズナブルなうえに、栄養豊富。

また、アブラナ科の野菜はガン予防にもよいとされているので*、わが家では毎日食べています。ブロッコリー、キャベツ、大根、白菜、ケールなど、食べやすいものを選んでください。

そして旬の野菜は、その季節を乗り切るための栄養素が豊富に含まれています。夏場ならトマトやパプリカがおすすめ。日差しを浴びた肌の回復を助けてくれます」

*参考文献:Lenzi M, Fimognari C, Hrelia P. Sulforaphane as a promising molecule for fighting cancer. Cancer Treat Res. 2014;159:207–23.

(2) 植物性タンパク質は2種類を掛け合わせる

いろいろな豆類を一緒に食べるのもよい

「プラントベースでタンパク質といえば、やはり豆類。中でも大豆はタンパク質量が豊富で、お肉にも負けない〝アミノ酸スコア100〟という必須アミノ酸が全て含まれています。豆のままの状態がいちばん。納豆や大豆を丸ごと発酵させたテンペという加工食品もおすすめです。照り焼き風に味をつけると食べ応えがありますよ。ほかにも、厚揚げなら食べ応えがありますし、お豆腐もいいですね。

ただ、大豆はアレルギーの方もいらっしゃって、欧米ではソイフリーの商品も増えています。代わりのビーンプロテイン(豆タンパク質)でおすすめなのは、エンドウ豆、レンズ豆、ヒヨコ豆。単体ではもちろん、一食の中でもいろいろな豆を組み合わせると、さまざまな栄養素が摂れます。

あとは、植物性タンパク質は2種類を掛け合わせると、十分なタンパク質が摂りやすいです。例えばレンズ豆のスープを食べるなら、サラダにはナッツをかける、といったふうに。2種類を掛け合わせることで、お互いに栄養素が補填し合えるのもメリットです」

(3) 穀物をしっかり食べて無駄食いセーブ

玄米や雑穀を混ぜたごはんは、噛みごたえもあり満足感を与えてくれる

「近頃では糖質制限を意識している方も多いですが、プラントベースでは穀物をしっかり食べます。そうすることで、無性にお腹が空いたり、かならず甘いものが食べたくなったりするような無駄食いが防げると体感しています。

おすすめの穀物は、〝アミノ酸スコア100〟の玄米です。ビタミンやミネラルも豊富で、栄養の土台ができます。

玄米の食感やにおいが苦手という方は、白米に雑穀を混ぜてもよいでしょう。また、玄米でもお塩をちょっと入れて炊くとふっくら仕上がります。夏場なら酢飯にしても食欲がわきますし、混ぜごはんや炊き込みごはんも食べやすいですよ。

ほかにも主食をパスタにするのもアリ。その場合は全粒粉のものを選びましょう」

プラントベースを続けるコツ

今年で11年目になるという、池田夫婦のプラントベース生活。夫・池田さんは、2018年から動物性食品を食べておらず、清子さんも、2020年からほとんど食べなくなったという。

正直、肉を食べたい!という気持ちは起こらないのだろうか?

「自らお肉を選ぶという気持ちは起こりませんね。ただ、我慢しているわけではありません。

夫の場合は、プラントベースで体調の土台がぐっと上がったこと。そして、喘息や高血圧、花粉症がまた発症したらいやだということもあり、年を重ねても最上の状態をキープするために自らすすんで続けています。

私は、外食や友人に誘われた時など、自分が食べたいと思った時はフレキシブルに。続けていく中で、動物性食品は0に近づけるほうがいいと思っていますが、プラントベースは一生続けたい。だからこそうまく付き合っていけるように、自分の中でほどよい余白を大切にしています」

人生において、自分の健康や思想は大事だ。一方で、社会人たるもの。仕事相手や友人など、大切な人との付き合いも避けては通れない。

だからこそ、頑なに「○○は食べない」ではなくて「何を食べるか?」。プラントベースという選択肢を増やすことで、これから先の時代を生き抜く広がりを与えてくれるだろう。

池田清子さん
アスリートフード研究家、アンチエイジングアドバイザー。米国eCornell大学プラントベース栄養学コース修了。野菜ソムリエの資格も持つ。国内外でマウンテンバイクとトレイルランニングのプロアスリートとして活躍する夫・池田祐樹さんを栄養面でサポート。2014年からプラントベースを実践する。著書に『野菜のおいしい食べ方』『EAT GOOD for LIFE』がある。オンラインでプラントベースの基礎から実践まで学べる「大人のキレイを作る講座」主宰。
https://www.instagram.com/sayakitchen/

取材・文/ニイミユカ

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