味わいに深みを出すためブランデー用の直火蒸留釜を使用
グロースターズは、葡萄香るウイスキーの先行販売プロジェクトを応援購入サービスMakuakeにて開始したところ、開始2日目にして目標金額1000万円を達成した。プロジェクトは、引き続き2024年11月4日まで展開中だ。
今回はブランデー蒸留釜で蒸留した原酒と、通常のポットスチルで蒸留した原酒をそれぞれ200ml瓶に詰めたセットが8550円(税込)、ブランデー蒸留釜で蒸留した原酒と800mL樽キットが4万9500円(税込)、ブランデー蒸留釜で蒸留した原酒をバーボン樽で熟成させ、3年後にジャパニーズウイスキーとして700ml瓶入りとして届く「OWNER’S CASK Bourbon cask 1口オーナー 700ml (Alc.50%)×1」が1万9600円(税込)などのリターンが用意されている。
ブランデー釜蒸留NEWPOT&ウイスキー釜蒸留NEWPOT
800mL樽キット +ブランデー釜蒸留限定NEWPOT1本
OWNER’S CASK Bourbon1口オーナー
「神戸蒸溜所」の歴史と歩み
ブランデー蒸留釜
同社は2022年10月に「神戸蒸溜所」を開所。ここは30年前に神戸ブランデーを製造していた直火蒸留釜「アランビック・シャラント」と、銅製のウイスキースチルが併存する珍しい蒸溜所でもある。
これまでウイスキーはウイスキーポットスチルで蒸留を行なってきたが、今回は葡萄の香りが残るブランデー用の直火蒸留釜を使用。味わいに深みを出すことにチャレンジしたという。
直火蒸留は蒸留釜に直接1000度以上の炎をあてて加熱する方式。ゆっくりと加熱することで原料の甘みを残しながら、柔らかで厚みのある香りを作り出して力強い原酒に仕上がる。
直火蒸留の様子
歴史ある蒸留方法ではあるが、温度管理の難しさなどから最近は直火で製造している蒸溜所はほとんど存在しない。一方、ブランデーだけを蒸留していた直火蒸留釜に染み込んだブランデーの香りが、ウイスキーの香りにどのような影響を与えるのかにも注目だ。
■阪神・淡路大震災の影響を受けて製造が中断、30年近くの年月を経て復活
神戸蒸溜所にある直火蒸溜釜には中断と復活の歴史がある。
神戸市の外郭団体である「神戸みのりの公社神戸ワイナリー」がフルーツフラワーパーク内「ブランデー・ビール館」で、フランスから直輸入した直火の単式蒸溜器で神戸産葡萄のみを100%使用したブランデー造りを1993年に開始。
国内では最大級の5000Lの初溜釜と2500L再溜釜の2基で蒸溜を行なっていた。
しかし2年後の1995年、阪神・淡路大震災の影響を受けて製造が中止され、蒸溜器も使われないまま30年近くの月日が経過。
しかし樽詰めされ熟成が続いていた「神戸ブランデー」 が、主に海外の顧客から非常に高い評価を受けたこともあり、ついに神戸市は当時の蒸溜器を再活用する事業者を募集。
ウイスキー蒸留釜
そして2022年秋、同社がその事業者に選ばれ神戸蒸溜所を開所。当時の蒸溜器を復活し新たにブランデーとウイスキーの製造を開始したのだ。
同社ではプロジェクトの展開に際して「今回、まさに未来のウイスキーとなるため熟成中である『直火蒸留』と『間接蒸留』の原酒違いの飲み比べいただけるセットや、特別なご自宅の熟成キットなど、魅力あるリターンを用意させていただいております」とコメントしている。
※20歳未満の人は申込みできません。
関連情報
https://growstars.co.jp/index02.html
構成/清水眞希