NTTと中華電信が世界初のIOWN国際間オールフォトニクスネットワークを開通、日本と台湾間を約17msecの超低遅延で接続

日本電信電話（以下「NTT」）と、中華電信股份有限公司（以下「中華電信」）は、2023年10月25日に締結した基本合意書に基づき、双方のオールフォトニクス・ネットワーク（以下「APN」）を用いて、中華電信のデータセンタ（台湾：桃園市内）からNTT武蔵野研究開発センタ（日本：武蔵野市内）までを開通。約3000kmの長距離を片道約17 msecの低遅延でゆらぎのない安定した通信を実現した。

APNの国際間開通は世界で初めてのことだ。

なお、本APNを用いた各種デモンストレーションをNTT R&D Forum 2024（※1）等で展示される予定。
※1.　NTT R&D FORUM 2024　公式サイトhttps://www.rd.ntt/forum/

今回の取り組み内容

2023年10月25日に締結した基本合意書に基づき、両社が強みとする、光伝送技術や無線伝送技術、NTT・中華電信での社会実装の実績を基に、日本と台湾間においてIOWNのAPN技術を活用した国際間のネットワークを世界で初めて開通した。

図1．国際間APNのネットワーク構成

国際間APNの開通にあたり、NTTは、NTT武蔵野研究開発センタから日本国内の海底光ファイバー陸揚げ局まで、中華電信は、そこから台湾の陸揚げ局、桃園データセンターまでのAPNを構築した。

そして両社が協力して、それぞれの区間を接続するとともに、End-to-Endでの通信が安定して行われることを確認した。

本国際間APNは100Gbpsの光パスで実現している。通信品質試験を行なった結果、遅延は片道で16.92msec、遅延ゆらぎはほとんどなかった（表1）。

なお、本国際間APNは、IOWN Global ForumのOAA（Open All-Photonic Network Functional Architecture）に対応している様々なメーカーの機器を利用し、相互接続を実現している。

■今後の展開について

両社協力の下、日本と台湾に拠点を置く半導体分野などの製造業を中心に、被災時のBCP対策としてのデータバックアップやレプリケーションサービス、大規模言語モデル（tsuzumi）などを提供していく予定。

またNTTは2025年大阪・関西万博NTTパビリオンデーにおいて、「超歌舞伎 〈CHO-KABUKI〉Powered by IOWN『今昔饗宴千本桜 Expo2025 ver.』」の公演を計画しており、本国際APNの活用も検討しているとコメントしている。

関連情報
https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/08/29/240829a.html

構成／清水眞希