この暑さの中、レジャーや旅行の行き先に「涼しさ」を求める人は少なくないだろう。
誰もが知るメジャーな避暑地も良いが、オーバーツーリズムも問題になっている今季、じわじわと注目を集めているのが「隠れ避暑地」と呼ばれる穴場的スポットだ。
そこで今回の記事では、これまで避暑地としてあまり取り上げられる機会がなかった「隠れ避暑地」のおすすめについてまとめた。記事の後半では、全国随一の涼しい観光地として話題の福島県裏磐梯エリアの魅力について紹介しているのでチェックしてみてほしい。
猛暑の日本で注目を集める「隠れ避暑地」
長野県の上高地や軽井沢、栃木県の那須高原、青森県の十和田湖や奥入瀬渓流、北海道など…昔から定番の避暑地は人気が高く、長期休みにもなれば観光客が押し寄せる。
せっかく涼しくて爽やかな場所を選んで来ているのに、人でごった返した観光地を歩いたり、食事のために何十分も並ぶのをよく思わない人も多いだろう。
そこで白羽の矢が立ったのが、「隠れ避暑地」=夏でも過ごしやすい気候の穴場スポットというわけだ。
人気避暑地に負けないくらい涼しくて、美しい絶景やおいしいご当地グルメも味わえる。場所によってはマリンスポーツやウォータースポーツに挑戦したり、建築物や歴史の探索などその土地ならではのアクティビティを楽しむこともできる。
観光地としての見どころは十分だが、訪日観光客にも広く知られている超メジャーな地域に比べるとそこまで人が多くないというのが1番のポイントだ。
【隠れ避暑地・涼しい穴場スポットの例】
1. 大谷資料館(栃木県宇都宮市)
2. 青山高原(三重県津市)
3. 鵜原理想郷(千葉県勝浦市)
4. 猊鼻渓(岩手県一関市)
5. 茨城県北茨城エリア
6. 静岡県天城高原・西天城高原エリア
7. 熊本県阿蘇エリア
1 大谷石採掘の歴史に関する博物館。地下に広がる古代神殿のような採掘場跡は必見で、夏でも10℃前後と上着が必要な涼しさ。
2 標高600~800mの高原地帯。そびえたつ風力発電施設の白い風車と四季折々の自然が美しく、絶景ツーリングスポットとしてバイカー人気が高い。
3 涼しい町として知られる千葉県勝浦市のハイキングコース。背筋がひんやりするようなトンネルを抜けた先にはリアス式海岸のパノラマが広がる。「幸せの鐘」や「白い鳥居」などフォトスポットが多い。
4 猊鼻渓(げいびけい)とは砂鉄川沿いの渓谷のこと。両岸にそびえたつ約100mの断崖と、雄大な四季の自然をのぞめる「舟下り」が名物。
5 例年7、8月の平均気温が25℃前後と、関東一涼しい町ともいわれるエリア。海の幸と山の幸の両方が味わえる立地も魅力。
6 天城高原は標高約1000m、西天城高原は標高約750m。市街地との気温差が-5~10℃程度ある爽やかなエリア。
7 阿蘇市の夏の平均気温は26℃ほど。阿蘇山の最高点は標高1500m以上あり、訪れるエリアによって違った絶景やアクティビティが味わえる。
夏でも平均気温20℃!福島県 裏磐梯(うらばんだい)エリアとは?
隠れ避暑地のなかでも知る人ぞ知る名所が、磐梯山の麓に広がる「裏磐梯(うらばんだい)エリア」だ。標高約800mの高原リゾート地帯で、夏でも平均気温が20℃前後と過ごしやすく、全国随一の涼しい穴場観光地として人気が高まっている。
といっても、もともと磐梯山周辺には優良なゲレンデが多いため、ウィンタースポーツをする人にとってはお馴染みのエリアとして知られていた。「冬の遊び場」として人気があった場所だが、「夏でも涼しい街」としてメディアなどで紹介されたことで、避暑地としての注目度が急上昇しているのだ。
ウィンターシーズン中は雪景色が広がる裏磐梯エリアだが、サマーシーズンには山の豊かな緑と火山噴火によって生まれた湖や沼が織りなす美しい水の景観を望むことができる。「湖沼の国」とも呼ばれ、立地を生かしたウォータースポーツやアウトドアアクティビティも盛んだ。
『五色沼』
大小30ほどある湖沼群で、全長約4km程度の探勝路になっている。水中に含まれる成分や天候、季節や見る角度などによって色彩が移り変わることから名付けられた。
『桧原湖』
観光船やモーターボートの他、カヌーやSUPも楽しめる裏磐梯最大の湖。冬にはワカサギ釣りもできる。
『吾妻川渓流』
約2kmの探勝路には澄んだ空気と渓流ならではの景色が広がる。ヤマメやニジマスの渓流釣り(※)でも有名なスポット。
※吾妻川渓流釣りについての詳細は桧原漁業協同組合の規則を参照
画像出典:全て裏磐梯観光協会