モバイルPCとしての完成度が高い第11世代Surface Pro
Snapdragon XやCopilotキーの搭載など、新要素が豊富な第11世代のSurface Proだが、従来から特徴とされている部分も踏襲されている。
Surface Proは2in1と呼ばれる、ディスプレイとキーボードが分離するデザインを採用している。本体は895gで、携帯性が高いのが特徴。自宅では普段使い慣れている外付けキーボードを使用し、外出時には専用のキーボードを装着するといった使い分けも便利だ。本体のアスペクト比が3;2と、ノートPCとしては縦に長いため、カバンに収まりやすいのも、気に入っているポイントだ。
キーボードはBluetooth接続されるので、切り離した状態でも使用できる
ディスプレイ解像度は最大2880×1920で、動画視聴用のデバイスとしても優秀。2024年後半には、5G対応オプションも選択できるようになるため、より屋外でも使いやすくなる。Snapdragon Xのパワフルさと合わせ、動画編集用デバイスとして使うのもありだろう。タッチ操作にも対応しているため、直感的な操作ができるのも、やはり便利だ。
インターフェースは、本体左側面にUSB-Cポートが2つ、右側面に専用の充電ポートを搭載する。決して豊富とはいわないが、専用の充電器が用意されているため、UBS-Cポートは2つとも別の用途に利用できる。バッテリーは最大14時間の動画再生が可能で、屋外での使用もあまり不安は感じない。
また、2in1ノートPCの専用キーボード(別売)は、軽量化、薄型化を目指すあまり、打鍵感にやや難のあるモデルも多い。個人的には数世代前までのSurfaceも同様の感想を抱いていたが、かなり改善されており、キーを打ち込む感触がしっかりとしている印象だ。
もちろん、購入時にはOffice Home & Business 2021があらかじめついている。Surfaceシリーズのありがたいポイントでもあるが、別途Officeソフトを購入したり、Microsoft 365の契約がなくても、WordやExcelがすぐに使えるのは魅力だ。
Snapdragon XとCopilotキーでAI時代のノートPCを体現するSurface Pro
高いCPU、GPU性能に加え、AI処理機能を強化したSnapdragon Xを搭載したSurface Pro。モバイル通信ができるモデルは2024年後半に登場するため、今回は試せていないが、スマホのチップセットを多く手掛けるクアルコムのものということもあり、期待感は高い。
また、現時点では搭載モデルの少ないCopilotキーを搭載しているのもポイント。さまざまなデバイスでAIが活用されているのを鑑みると、これからの時代に最適化したモデルともいえるだろう。
公式サイトでの販売価格は20万7680円~。円安といった昨今の情勢を踏まえれば、高性能PCとして、決して高すぎる値段設定ではない印象だ。キーボードの打鍵感も個人的な推しポイントなので、まずは家電量販店などで実機を触ってみてほしい。
取材・文/佐藤文彦