失敗4「裏地をオーダーならではの白っぽい色にしたところ、ネーム刺繍糸も白でネームが見えませーん!」
「ネーム刺繍糸は白とオレンジがあるのですが、生地が同系色だとネームが見えにくくなってしまいます。刺繍糸も裏地もどちらも白だとネームはほぼ見えません。オーダーの際に、刺繍が入ったときのイメージをすることが大切ですね」
失敗5「シアサッカー生地のオーダースーツを誤って雨の日に着用して、下着が透けてしまった…!」
「シアサッカー生地のオーダースーツを雨の日に着用したところ、濡れた部分の下着が透けてしまったことがあります。
シアサッカー生地は夏場の涼しい素材として『薄手』『明色』なものが多く、透けやすいところがあります。シアサッカーに限らず、薄手明色な服を着用する際は、夏場のゲリラ豪雨などには注意が必要です」
失敗6「太ってしまいお尻が破けてしまった…!」
「何らかの拍子にスーツのパンツのお尻部分が破けてしまうことは、実はよくあるのです。一般ビジネスパーソンの方もわりと多いのではないでしょうか。
弊社店舗はそういったお困りの方の駆け込み寺にもなっております。補正室ミシンでその場で応急処置のお直しをしたり、新しいものをその場で購入し、弊社即仕上げサービスを活用されたりする方が多いです。ちなみにパンツは座っているときに最も傷みやすいといわれるので、注意してくださいね」
オーダースーツの成功ポイント
今回はオーダースーツの失敗談が紹介されたが、基本的にどんなことに注意すれば失敗を防げるだろうか。担当者は次のように話す。
「季節問わず、使われるシーンや用途に合わせて、生地選びやオプション選択をすることが大切です。暑い時期でもきちんとスーツ着用する必要がある方は、涼しさや動きやすさなど機能面を重視したり、秋以降の着用も視野に入れる方はバランスの良い生地を背抜きにしたり、イベント着用する方は季節感やテーマを設定した仕様にするなどです。そういった人それぞれ、さまざまな要望をカスタマイズできることこそオーダースーツの醍醐味だと思います」
スーツ販売のプロでも、スーツにまつわるいろんな失敗をしているのは、なんだか安心するものだ。失敗を踏まえたうえで、思い切って自分の一張羅を作ってみるのもいいかもしれない。
文/石原亜香利