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年金財政検証の結果から導き出される将来受け取れる年金額

2024.09.04

出生率が今の状態が続くと・・・

2024年の財政検証結果では、人口動向において以下複数のケースを前提として計算している。

前述の年金制度が維持される所得代替率50%以上を保てるのは、前提条件の出生率、平均寿命、外国人入国超過数が中位に推移したときである。

上記前提の平均寿命や入国超過数(入国者数から出国者数を引いた数)は現状を見るに高位で推移してもおかしくない現実的な数字であるが、合計特殊出生率においては2023年が1.2と中位の数値をすでに大幅に下回る数字であり、低位で推移してもおかしくない。合計特殊出生率が1.2のまま続くと、2070年に65歳以上の割合が40.9%となり、急速に少子高齢化がすすむ。この場合でも経済成長が高い場合、つまり平均寿命中位、外国人入国超過数16.4万人、成長型経済移行・継続で推移すれば、2070年の所得代替率は56.4%、2120年も56.4%と50%は下回らない。しかしながら、過去30年の経済を推移するという現実的な経済成長を遂げるとすると、2060年には所得代替率が48.2%と50%を下回り、年金制度自体の見直しが必要とされる。出生率が現状維持または、低下すれば、現在29歳以下の人からは年金制度自体が抜本的に変わる可能性がある。そのため、そのような事態にならないために、今後以下のような制度見直しが行われる可能性がある。

1.被用者保険の適用範囲拡大

すでに行われていることではあるが、厚生年金に加入できる要件を緩和することで、保険料支払い者を増やす。特に、パートや短時間労働者の加入を促すものである。

2.年金の支払い期間を延長

現在年金の保険料は20~59歳まで支払うが、それを64歳まで期間を延長する。延長した分、支払保険料の総額は増えてしまうが、一方で将来の給付水準は上がる。

3.標準報酬月額上限の見直し

厚生年金保険料は収入(標準報酬月額)×保険料率をかけた金額を支払うが、収入が高い人は上限がある。現行では標準報酬月額の上限が65万円となっているが、それを75万円、83万円、98万円に上限を見直す案が検討されている。収入が現行の上限を上回っている人は支払保険料が上がるが、その分将来の受給額は増える。

今現役世代の人は、現在年金受給している人が受けているような水準の年金を受け取ることはできない。2024年現在で年金受給者が受けている年金は所得代替率が61.2%となっていが、2024年財政検証結果では楽観的に見れば56.9%、現実的には50.4%またはそれを下回る可能性があり、今の受給者世代の10%超は給付水準が下がることになる。したがって、早いうちからコツコツiDeCoやDCを利用して自分のための年金を作っておく必要があるだろう。iDeCoやDCは公的年金のような賦課方式ではなく、積立方式といって自分が拠出した掛金は運用次第にはなるが必ず自分に返ってくるものだ。若いうちから積み立てれば、掛金が少額でも大きな老後資金になるだろう。

(参考)
2019年年金財政検証の概要と評価 (ndl.go.jp)
社会保障審議会年金部会 2024年財政検証結果の概要
001270476.pdf (mhlw.go.jp)
日本の将来推計人口(令和5年推計)|国立社会保障・人口問題研究所 (ipss.go.jp)

文/大堀貴子

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