最近の経済ニュースにおいて、FRBとともに登場頻度を増しているキーワードの一つが「FOMC」だ。FRBがアメリカの中央銀行に相当する連邦準備制度理事会ならば、このFOMCとは金融政策のひとつである公開市場操作の方針を決定する委員会のこと。英語表記は「Federal Reserve Open Market Committee」。
FRBによって定期的に開催されており、マネーサプライの調節、金利・為替レート誘導などに関して協議を行なう。
利下げが予想される9月は大統領選候補者によるTV討論会が、日本では自民党総裁選が予定されており、FOMCの決定が各候補の経済政策に影響を与える可能性もある。
今回は、そんなFOMCと日米の政治スケジュールに注目したリポートが三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト 石井康之氏から届いたので、同社リリースを元に紹介したい。
利下げ幅に加え、FOMC参加者が適切と考える政策金利の見通しに注目
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2024年8月23日、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の講演で、「政策を調整すべき時が来た」と、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げをほぼ明言した。
9月17~18日のFOMCで4年半ぶりとなる利下げが確実視されるなか、利下げ幅に加え、FOMC参加者が適切と考える政策金利の見通し(ドットチャート)についても注目されている。
米国では、共和党のトランプ前大統領と民主党のハリス副大統領が9月10日に、11月の米大統領選に向けた「テレビ討論会」に臨む見通しだ。
両氏が初めて直接対決するテレビ討論会は、大統領選に大きな影響を及ぼすとみられ、軍配がどちらに上がるかが注目される。ただ、トランプ氏は、主催するテレビ局の公平性に疑義を唱えて不参加の可能性も示唆した。
日本では、岸田総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選が9月27日に行なわれる。今回の総裁選は、従来の派閥の力学が働きにくく、これまでに10人以上が出馬に意欲を示しており、混戦模様となっている。
上位2名による決選投票となる可能性が高いとみられるなか、各候補者が掲げる経済政策に注目が集まる。
構成/清水眞希