小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

FRB議長が9月の利下げを表明、直近6回の事例から検証する米国株と日本株の反応

2024.09.01

アメリカのカンザスシティー連邦準備銀行がワイオミング州のジャクソンホールで毎年夏に開く金融・経済シンポジウム。それがジャクソンホール会議だ。

この会議には米連邦準備制度理事会(FRB)議長など、各国中央銀行の要人や経済学者らが出席することで知られており、中でもFRB議長の講演は、アメリカの金融政策を占う手がかりとして注目されている。

2024年も8月22日から24日まで開催され、パウエルFRB議長が講演で利下げを行なう考えを示した。

今回はそんなアメリカの利下げと株価動向について、三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩 氏から最新リポートが到着しているので、その概要をお伝えする。

FRBが利下げを開始した場合、米国株と日本株はどう反応するか直近6回の利下げ事例を検証

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は8月23日、米カンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、「金融政策を調整する時が来た」と述べ、来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る考えを示した。

そこで今回のレポートでは、FRBが利下げを開始した場合、米国株と日本株はどのように反応するか、過去の事例を踏まえて考察していく。

具体的には、米国で過去、利下げが開始された時点を基準に、その後半年間でダウ工業株30種平均と日経平均株価がどのように推移したかを確認する。

過去の利下げ時期は、(1)1989年6月、(2)1995年7月、(3)1998年9月、(4)2001年1月、(5)2007年9月、(6)2019年7月、の直近6回を対象とする。

また、ダウ平均と日経平均については、それぞれ利下げが行なわれた日から125営業日までの騰落率を計算する。

■過去米利下げで必ずしも株高にならず、ただ利下げから半年間、日米株価は同方向に動く傾向

まず、ダウ平均の動きから検証していくと、利下げ開始から125営業日までの間、(1)は9.1%上昇、(2)は11.4%上昇、(3)は22.7%上昇、(4)は3.4%下落、(5)は9.8%下落、(6)は7.0%上昇、という結果になった(図表1)。

つまり、過去6回の利下げ開始から半年間で、ダウ平均は(1)、(2)、(3)、(6)の4回上昇した一方、(4)と(5)の2回下落しており、利下げが必ずしも株高につながらないことがわかる。

 
次に、日経平均に目を向けると、同じく利下げ開始から125営業日までの間、(1)は11.0%上昇、(2)は34.8%上昇、(3)は17.9%上昇、(4)は8.5%下落、(5)は19.6%下落、(6)は10.9%上昇、という結果に(図表1)。

つまり、ダウ平均と同じく、6回のうち上昇したのは、(1)、(2)、(3)、(6)の4回で、下落したのは(4)と(5)の2回となり、ダウ平均と日経平均は、初回の米利下げから半年間、同じ方向に動く傾向があるように見受けられる。

■ポイントは米利下げ後の米景気動向、半年以内にリセッションなら日米とも株安、回避なら株高へ

ただ、米利下げ後の日米株価動向を判断するには、過去6回の利下げ局面の状況を、もう少し詳しくみていく必要があると思われる。

そこで、各局面について、利下げに踏み切った理由と、最初の利下げから半年以内の米景気後退(リセッション)入りの有無を確認した。

結果は図表2のとおりで、利下げの理由は様々だが、利下げ開始後、半年以内にリセッション入りなら株安、リセッション回避なら株高、という傾向が読み取れる。

FRBは次回9月のFOMCで、利下げを開始する可能性が高いとみているが、過去の事例を踏まえると、米国株と日本株の方向性を決める重要な要素は、「利下げ」ではなく、「利下げ後の景気動向」と考えられる。

つまり、今回も利下げ開始後、半年以内にリセッション入りならダウ平均と日経平均は下落、リセッションを回避し、景気が軟着陸(ソフトランディング)に向かうなら、ともに上昇という展開が予想される。

関連情報
http://www.smd-am.co.jp

構成/清水眞希

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。