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「令和の米騒動」の記事数が1週間で7倍に!ひっそりと続いた報道がお盆明けに急増した理由

2024.08.30

日本の主食である米が品薄となり、歴史の教科書でしか見たことがなかった「米騒動」というワードをよく見かけるようになった。

そこでトドオナダは、4,000以上のWEBメディアをモニタリングできるPR効果測定サービス「Qlipper」のデータを基に、2024年5月末以降の「米不足」「米騒動」に関するウェブニュースを調査・分析したので、結果をお伝えしよう。

「米不足」「米騒動」のQlipper記事推移

「米(コメ)不足・騒動」のワードを含む記事は5月下旬からほぼ毎日存在している。記事が収集されなかったのは計7日のみであった。

米の価格高騰と不足をメインにした記事は、5月末には複数確認できる。その時点で米不足を報じていたのはテレビ局のニュースが中心であった。6月中旬になると、テレビのキー局のニュースがさらに増えている。

結果として、今回の調査の全期間に収集した記事の13%がテレビ局のニュース記事であった。この割合は、基本的には他メディアの記事を転載するポータルサイトを除きメディア種別の中で最大の数字だ。

▼「米不足」 記事のメディア種別

次項で述べるように、8月8日(木)の南海トラフ臨時情報(巨大地震注意)と米不足を関連付けて報じるニュースが下旬に出てくるものの、注意の呼びかけが続いていた間に米不足の報道は劇的には増えていない。

8月12日(月)~18日(日)の記事数は153。19日(月)~25日(日)の記事数は1,070で、1週間で記事がほぼ7倍になっている。

理由は以下が考えられる。

・お盆明けというタイミング
お盆が明けて取材をしやすくなったことが影響している。農水省を取材して得たコメントや、小売店を訪れて取った店員の話や米が売り切れている写真・映像を用いた週刊誌・テレビのキー局のニュースが増えた。

・米の出荷に合わせた取材
出荷時期の早い早場米の出荷作業が始まり、また一部の米の生産地では新米が店頭に並ぶタイミングであること。とくに米づくりが盛んな地方のテレビ局が盛んに取り上げていた。

・天災との結びつけ
8月下旬に入ると、「巨大地震注意の発表」および「台風の接近」による備蓄需要の増加という説明が増加。前述のように、南海トラフの臨時情報が出ていた期間にはニュースが増えていない。

しかし取材のしにくいお盆を経ると同時に、SNSでの「米が手に入らない」という投稿をメディアがニュースにするまでの時差が加わった結果と考えられる。

・省庁の動き
記事数が最大となった23日(金)には、総務省と農水省の動向が報道に影響を与えている。同日に総務省が発表した7月の全国の消費者物価指数において、米不足の影響によりコシヒカリ以外の米(うるち米)の価格が去年の7月に比べて18.0%上昇となった。

また農林水産省が今後は米の品薄状態が解消に向かうとの見通しを示し、通信社から配信された記事が多くでている。

▼「米不足」「米騒動」の語を含む記事のPV推移

※PV=仮想PV:Qlipperが取得したサイト構造を基に独自エンジンで記事のページビューを予測・算出した数字

PV・記事ツイート数が多かった記事とトレンドワード

最も仮想PV数が高かった記事は、8月18日付の『Yahoo!ニュース オリジナル 特集』記事を元にした『Yahoo!トピックス』。

内容は米不足とともに一等級比率が大きく落ち込んだコシヒカリの今後を中心に、新潟県南魚沼市の米農家や農業環境の研究者らを取材したものだ。

最もXでポストされた記事は、7月15日付『弁護士JPニュース』の記事。SNSで挙がる「米がない」という声を受けて農水省に取材し、データを元にした説明で「需給は逼迫していない」という同省の見解を伝えた。

▼「米不足」「米騒動」Qlipperトレンドワードランキング

※単純な記事数ではなく、時間軸なども踏まえてQlipperのAIが判断

調査概要
調査期間:2024年5月21日~8月25日(Qlipperの記事確認日時)
調査機関:自社調査
調査対象:本文または見出しに「米(コメ)不足」「米(コメ)騒動」の語を含む記事
調査方法:Qlipperが調査期間中に収集した国内主要ニュースサイトのウェブニュースの内、調査対象の記事数、仮想PV数、記事がXでポストされた数を集計
※仮想PV:国内4,000媒体以上のWEBメディアをモニタリングしているQlipperが、取得したサイト構造を基に独自エンジンで記事のページビューを予測・算出(特許第7098122号)

関連情報
https://qlipper.jp/

構成/Ara

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