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タブレットの代表格であるiPadは、ノートパソコンよりも高価な機種もあるのでせっかく購入したのであれば「なるべく長く使いたい」と思う人が多いのは当然ではないだろうか。よく「iPadの寿命は10年使える」という意見を耳にするが、客観的に見ると基本的には難しいといえるだろう。
電子機器である以上、iPadには必ず寿命があるが普段の使い方によってある程度、伸ばすことも可能だ。今回はiPadの寿命を決める2大要素と、なるべく長く使い続けるコツについて紹介する。
iPadの寿命を決める2つの要素
iPadの寿命は「iPadOSのサポート」と「本体・バッテリー」の2つのポイントに分けられる。それぞれの概要を説明しよう。
■個人では対応できない「iPadOSサポート」による寿命
iPadOSとは、iPadの操作やアプリなどを使うために欠かせないソフトウェアだ。利便性、セキュリティ性などの向上のために定期的に更新されており、古いOSのままだと「セキュリティリスクの増大」「アプリが使えなくなる(互換性がなくなる)」「修理サポートの対象外になる」といったデメリットが大きくなる。
ここで問題になるのが、最新のiPadOSはすべての機種に対応しているわけではなく、古い機種だと非対応となってしまうことだ。この「iPadOSのサポート終了」が、所有するiPadOSの寿命に直結する要素だ。もちろん、iPadOSのサポートが終了して即、iPadが使えなくなるわけではないが、特にメジャーアップデートの対象外となった場合は、ある程度の不自由やリスクは許容しなければならないだろう。
また、iPadOSのサポート期間はAppleが決めるため消費者でどうにかすることは難しい。iPadOSのサポート期間について、Appleから正式発表はないが発売から5~6年でサポート終了するケースが多いことを覚えておこう。
■iPadのバッテリーの寿命は「充電1000回」が目安
iPadは「本体・バッテリー」の寿命を迎えて使えなくなるケースが特に多いだろう。本体の寿命はおよそ3~4年、バッテリーは充電1000回程度(MAX80%充電できる)が目安とされている。毎日充電するとおよそ3年程度であり、期間を過ぎると故障の確率が上がるほか、バッテリー持ちが悪くなり使用に大きな支障が出る可能性が大きくなる。
ただし、バッテリーはAppleStoreや正規サービスプロバイダで有料で交換することも可能だ。
■iPadの寿命の考え方は人それぞれだが10年は難しい?
iPadの寿命の基準は人それぞれといえるだろう。最も短いのは本体・バッテリーの寿命だが、iPadOSのサポート終了まで使うのであれば5年、修理・バッテリー交換するのであれば対象期間はおよそ8年程度使い続けられる。
ただ、寿命ギリギリまで使い続けるのであれば、修理にかかる手間やお金、さらに使用時のストレスなども発生することは覚悟しなければならないだろう。また、いずれにしても10年間、同じiPadを使い続けるのは不可能ではないが難しいと考えられる。
iPadのバッテリーの寿命を伸ばす方法
(1)iPadOSを最新にする
iPadOSを更新することで「消費電力の最適化・抑制」を実現できる可能性がある。以下の方法でiPadOSが最新であるか確認し、古い場合はアップデートしよう。
- 設定アプリを開く
- 一般に続き、ソフトウェアの項目をタップ
- アップデートが必要な場合はワイヤレス、もしくはコンピュータに接続して更新する
(2)バッテリーの「放熱」を防ぐ
バッテリーが熱くなる現象を「放熱」といい、放熱によってバッテリーの寿命が短くなってしまうリスクが高まってしまう。以下の項目に注意して、なるべく放熱しないように普段からiPadを使うことを心がけよう。
- 負荷が大きなアプリの使用回数・時間を控える
- 充電しながらiPadを使用しない
- 直射日光、気温が高い環境で使用しない
- 持ち歩く際はなるべく涼しい環境を保つことを心がける
(3)低電力モードで使用する
iPadの低電力モードは、本来はバッテリー残量が短いときに消費電力を抑えて長持ちされるための機能だが、普段から使用することで電力消費を抑えることで「放熱」や「充電回数」を抑止することが可能だ。低電力モードは以下の方法で実行できる。
●設定アプリから低電力モードにする
- 設定アプリを開く
- バッテリーをタップ
- 低電力モードをオンにする
●コントロールセンターから低電力モードにする
- 画面右上を下にスワイプ
- コントロールセンターが表示されるので低電力モードをオンにする
まとめ
iPadの寿命の考え方とバッテリーを長持ちさせる3つの方法を解説した。
iPadをいつまで使いたいかは個人の感覚や状況によって異なるが、バッテリーをなるべく長持ちさせられるように心がけ、iPadにはケースやカバーを付けて不慮のトラブルを防ぐなど、普段から丁寧にiPadを使うことが長く使い続ける重要なポイントといえるだろう。
文/藤冨啓之(ふじとみひろゆき)
経済週刊誌の編集記者として活動後、Webコンテンツのディレクターに転身。2020年に独立してWEBコンテンツ制作会社、もっとグッドを設立。BtoB分野を中心にオウンドメディアのSEO、取材、ブランディングまであらゆるコンテンツ制作を行うほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動中。