DIME MAGAZINE
安定した再現性の高いショットを狙う中空構造の「P770」
軟鉄中空構造のボディによる寛容性を備えることでショットの再現性アップが狙えて、しかも、心地よい打感と打音を実現する「P770」。
2024年の新作では、コンパクトなヘッドシェイプに、従来モデルよりもシャープになったトップラインを採用しています。
ブレード長は76.4mm、トップラインの厚みは5.3mm。「P7CB」とさほど変わらぬサイズ感は、テーラーメイド「Pシリーズ」アイアンの中核、「P7CB」との相性のよさを示しています。
また、番手別設計にこだわったソールも「P770」の特徴です。
ロングアイアンではリーディングエッジを低く設計してボールを拾いやすくし、ミドル・ショートアイアンではバウンス角を付けて様々なライに対応。振り抜きのよさを向上させています。
そして、中央を軽くすることで左右に重量を分散。ミスに対する寛容性を高くするために、「P770」はクロモリ鋼のL型フォージドフェースを採用し、一番薄い部分で1.6mmとし、「プログレッシブ ICT」を組み合わせることで、オフセンターヒットにおける弾道のバラツキを軽減しています。
また、ヘッド内部構造を番手別に最適化し「番手によってどこにボールが当たるとどう飛ぶかを内部で補正。スイートスポットエリアを拡大」（柴崎さん）し、再現性と操作性を向上しています。
番手ごとの独自設計にこだわる「P770」は、3番から7番までは「貫通型スピードポケット」を採用。「余分なバックスピンを抑えて飛距離を最適化」（柴崎さん）しています。
加えて、最大で41gのタングステンウェイトを3番から8番（従来は7番まで）に搭載し、細かな重心コントロールにより、番手間のフローの均一化を可能にしています。
テーラーメイドでは、中空アイアンに充填剤は欠かせません。「P770」はテーラーメイド独自の充填剤、「SPEEDFOAM AIR」を採用。フェースの動きを邪魔することなく心地よい打感と打音を実現します。
ご存じの通り、アイアンはトゥ側にゆがみが生じやすいものです。そこで、特に先端部を補強するためサウンドコントロールリブを番手ごとに細かくデザインし、打音を高く短く整えています。
■価格
5 本セット（6番～PW）Dynamic Gold MID 115（S200）15万9500円
5 本セット（6番～PW）N.S. PRO MODUS3 TOUR 105（S）15万9500円
単品（3番／4番／5番）
Dynamic Gold MID 115（S200）、N.S. PRO MODUS3 TOUR 105（S）共に各3万1900円
5番は「P790」、6番と7番は「P770」、8番からPWは「P7CB」で攻める……そんな組み合わせも◎
ここまで、「P7CB」と「P770」の特徴を見てきました。
テーラーメイドのアイアン「Pシリーズ」には、ほかに「P7MC」「P790」がラインアップします。
ちなみに、「P7MC」と「P7CB」「P770」のロフト角とライ角ですが、ライ角はそれぞれの番手で共通。ロフト角も比較的近い度数に揃っています。
これは、相互のコンビネーションの高さを物語るもので、テーラーメイドのアイアン「Pシリーズ」が、選べる自由を中・上級プレイヤーに与えてくれることを意味しています。
たとえば、5番は「P790」、6番と7番は「P770」、8番からPWは「P7CB」を選び、果敢にピンを攻める……そんなプレイヤーの闘争心に、応えてくれるはずです。
ヘッドスピードを求められるロングアイアンは、飛距離の安定を優先し、ショートアイアンでは操作性を重視する……テーラーメイドの「Pシリーズ」は、モデルごとのキャラクターが鮮明だからこそ、選ぶ楽しみが増えるわけです。
試打をしたところ、確かに「P7CB」は寛容性を持ちつつも、コントロールのしやすさが印象的でしたし、「P770」は直進性と飛距離の安定性を感じました。
シャフトとの絡みもあり、一概には言えませんが、「アイアンは長いか短いかの違い。セットで選べば良い」という時代から、今後は番手ごとに細かく好みで選ぶ時代になりそう……そんな予感をさせる、「P7CB」「P770」でした。
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