3. 単独親権を共同親権に変更することはできる?
改正民法の施行より前には、離婚後の共同親権は認められていません。そのため、本当は共同親権を希望していたのに、やむを得ず単独親権とせざるを得ないケースもあります。
改正民法の施行後は、子どもの利益のために必要がある場合に限り、家庭裁判所の審判によって親権者の変更が認められます(改正民法819条6項)。単独親権から共同親権への変更も可能です。
家庭裁判所が親権者変更の可否を判断する際には、以下の事情を考慮するものとされています(同条8項)。
(1)親権者を定めた父母の協議の経過(以下の事情を含む)
・父母の一方から他の一方への暴力等の有無
・調停の有無
・裁判外紛争解決手続の利用の有無
・公正証書の作成の有無
(2)親権者を定めた後の事情の変更
(3)その他の事情
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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