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民法改正で新設された「法定養育費制度」とは?協議が調わなくてもスムーズに養育費を請求することが可能に

2024.09.05

4. 法定養育費制度に関する注意点

改正民法によって新設される法定養育費制度に関しては、以下の各点にご注意ください。

(1)法定養育費を受け取れるのは、最長で子どもが18歳になるまで
(2)法定養育費の支払いを拒否されることがある

4-1. 法定養育費を受け取れるのは、最長で子どもが18歳になるまで

法定養育費を請求できるのは、以下のいずれかのうち最も早い日までです(改正民法766条の3第1項)。

(a)父母の協議により、養育費の分担についての定めをした日
(b)養育費の分担についての審判が確定した日
(c)子どもが成年(18歳)に達した日

したがって、法定養育費を受け取ることができるのは、長くても子どもが18歳になるまでです。それ以降の養育費を受け取るには、協議による合意や裁判手続きが必要になります。

4-2. 法定養育費の支払いを拒否されることがある

以下のいずれかの事情を証明したときは、法定養育費の全部または一部の支払いを拒むことができるとされています(改正民法766条の3第1項)。

・支払能力を欠くために法定養育費を支払えないこと
・法定養育費の支払いによって生活が著しく窮迫すること

相手にお金がないときは、法定養育費を受け取ることができない場合がある点にご注意ください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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