人生の転機は人それぞれ。そのきっかけが推しだった人は、どのような人生を歩んできたのか──推しのために生きる〝推し活観〟とは。
ロバートの〝ストーカー〟からテレビマンに!
推しは後ろからじゃないとおせない!
お笑い芸人のロバートを幼少期から推し続けた「メモ少年」こと篠田直哉さんは、現在テレビディレクターとしてロバートと仕事を共にしている。昨今の推し活ブームは、篠田さんにとって〝ラッキー〟だという。
「話題のきっかけになったYouTubeの動画を作ったのも、ちょうど推し活という言葉が広まってきた頃でした。書籍の発売など幅広く活動できているのは、社会的に受け入れられる土壌ができたおかげです」
10年以上篠田さんがロバート一筋でいられたのは、彼らが時代とともに変化し、飽きさせない存在としていつづけたからだ。
「常に面白いものを追求していて、見る度に新しい魅力が見つかります」
一方で、推しが仕事のパートナーになったことで、篠田さんの心境にも変化が訪れた。
「仕事になった瞬間から、僕の中で推し活ではなくなりました。一緒に仕事できて嬉しいオタクの自分はいますが、仕事ではあくまでディレクターとして向き合っています」
推しに陶酔せず、適切な距離感を保つことが、篠田さんの考える〝推し活観〟だ。
「あくまで後方から、ロバートの背中を追いかけ続けるのが僕の役割。だって、後ろからじゃないとおせないですから(笑)」
【1】内気な子供から〝メモ少年〟へ
もともと引っ込み思案な少年だったが、ある日テレビで知ったロバートのコントDVDを観たところ、どハマリした。ライブにも行くようになり、家で振り返るためのメモを公演中取り続ける姿がファンの間で「メモ少年」の名とともに話題に。性格も社交的になった。
1回のライブで取るメモは10ページほど。今まで書いたメモ帳は、実に20冊にのぼるそうだ。
【2】学園祭でロバート単独ライブを敢行
高校生となった篠田さんはロバートのマネージャーになる夢を持ち、東京の大学に進学した。2年生の時に学園祭のお笑い企画責任者となり、異例のロバート単独ライブを実行。3000人のお客さんが詰めかけた。この経験がきっかけで、テレビ業界を目指すようになった。
楽屋にはロバートの好きなお菓子がどっさり。全てのネタのリハーサルも篠田さん一人でこなした。
【3】一緒に仕事をするためテレビ業界へ
東京や大阪などの様々なテレビ局を受けた末、メ〜テレに入社し、念願のテレビディレクターに。入社2年目、長年の夢だったロバートとの初企画番組を実現させるに至った。現在、音楽番組などをメインで担当しつつ、責任者であるYouTube事業にも注力している。
YouTube企画第2弾の『ロバート秋山の虚構ドキュメンタリー』は地上波でも放送された。
YouTubeでも活動中!
登録者数15.3万人のYouTubeチャンネル『メモ少年』では、ロバートとの企画動画や社員のルーティンなど様々な動画を投稿している。ロバート秋山さんが歌い続ける音楽番組『秋山歌謡祭2024』はメ〜テレの社長賞を受賞した。
取材・文/桑元康平 撮影/木村圭司
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