世界最大規模の世論調査会社であるイプソスは、日本を含む世界29か国2万1759人を対象に“平等・不平等”に関する意識調査〝イプソス「平等指数2024」〟を実施。
日本のZ世代の男性は、自国の平等に関する取組みは「やり過ぎだ」と考えている人が多いこと、Z世代の女性は同世代の男性よりも LGBTQやニューロダイバーシティを持つ人々に対する差別に敏感であることなどが明らかになった。
日本のZ世代の男性は日本の平等への取組みは「やり過ぎだ」と感じている
世代区分(生まれ年)/Z世代:1996年から2012年、ミレニアル世代:1980年から1995年、X世代:1966年から1979年、ベビーブーム世代:1945年から1965年
Z世代の男性は、他の世代や同世代の女性と比較して、自国の“平等”への取組みは、「やり過ぎだ」と感じている人が多いことがわかった。これはグローバルでも同様の傾向が見られており、平等への取組みにより、何かしらの不利益を感じているようだ。
■LGBTQやニューロダイバーシティに対する平等・不平等、意識しているZ世代女性はZ世代男性の約2倍
「最も不平等または不公正な扱いを受けているグループはどれか?」という問いに対し、トランスジェンダーやレズビアン、ゲイ、バイセクシャルなどのLGBTQやニューロダイバーシティ―のグループが該当すると回答したZ世代女性は、Z世代男性の約2倍にのぼり、差別に対する意識の違いが明らかになった。
■「人の成功の可能性は“その人自身の強みと努力”で決まる」と考えるZ世代はベビーブーム世代の約半数
世代区分(生まれ年)/Z世代:1996年から2012年、ミレニアル世代:1980年から1995年、X世代:1966年から1979年、ベビーブーム世代:1945年から1965年
ベビーブーム世代の50%近くが、人の成功の可能性は「その人自身の強みと努力で決まる」と回答しているのに対し、Z世代は男性も女性も30%以下と、世代間による考え方の違いが明確になった。
また、Z世代では男性よりも女性の方が、成功の可能性は自身の力ではなく、環境など外的要因により左右されると考えていることがわかった。
調査結果まとめ
イプソス株式会社代表取締役社長 内田俊一 氏
Z世代男性の『平等の取組みはやり過ぎだ』という回答が多いことの背景には、マジョリティーもマイノリティーも関係なく平等に機会を有することができる社会が構築されようとする中で育ち、その中で逆差別と感じられるようなことがあったのではと想像します。
Z世代がその前の世代ほど、自分たちの実力や努力があれば平等に成功できると前向きに思えないという傾向は、世界でも同様の傾向が見られます。
平等が促進され機会が広がったとしても上の世代と同様の恩恵は得られないと感じているのではないでしょうか。
本調査は今後も継続的に実施していきます。どのような変化が見られるのかはまたお知らせしていきます。
イプソス「平等指数2024」調査レポート(日本語)
https://www.ipsos.com/sites/default/files/ct/news/documents/2024-08/IEI_2024_Global-Charts-ja.pdf
関連情報
https://www.ipsos.com/ja-jp
構成/清水眞希