目次
共々という言葉を見聞きしたことはあるだろうか。共々は複数人が同じ行動をする際に使用する表現だが、少々硬い表現であるため、会話で使ったことがない方も多いだろう。
そこで本記事では、共々の使い方や類語を紹介する。基本的な意味だけでなく、実用的な例文も多数紹介するので、日常会話で有効活用してほしい。
共々とは
「共々」を見聞きしたことはあっても、いざ使用するとなると用法がわからない方も少なくないだろう。まずは、共々の基本的な意味や注意点、代表的な表現の例を確認しよう。
■共々の意味
共々は2人以上が一緒に何かに取り組む様子や、同じような状況にあることを指す言葉。親子共々、夫婦共々のように、各人の関係性に合わせて使用される。
「一緒に」「共に」などの類語と比較してフォーマルな表現であり、ビジネスシーンや目上の人とのかしこまったやり取りでも重宝する。
■共々の注意点
共々はへりくだるニュアンスも含むため、使い方やシーンによっては失礼に当たることに注意しよう。例えば上司を含めて「社員共々」と表現すると、自分と上司を同列に扱い、共にへりくだる印象を与えてしまう。社外で使う場合には問題はないが、社内で使用する場合には、「社員全員で」のような柔らかい表現に言い換えると良いだろう。
また、共々は自分を含めて使う言葉であり、自分を含まないグループを指して使うと失礼に当たる場合がある。例えば「家族共々、お越しください」のような表現は控えるべきだ。この場合は「ご家族全員でお越しください」と言い換えるのが良いだろう。
■共々を使う表現の例
共々を使う表現には、以下が挙げられる。代表的な用法を覚えておくと、会話の中でも自然に使えるようになるはずだ。
親子共々
親子共々は、親子がそろう際に便利な表現。学校や地域のコミュニティ等で使用する機会が多いだろう。
家族共々
家族共々は、家族ぐるみで挨拶をする際に便利な表現。引っ越しや年賀状の挨拶で使用することが多いだろう。
社員共々
社員共々は、同じ会社で働く社員一同で挨拶する際に便利な表現。ただし、目上の人を含めて使用すると、失礼に当たることもあるため注意が必要だ。
共々を使った例文
ここでは、共々を使った例文を紹介する。日常生活とビジネスシーンにおける用法をそれぞれ紹介するので、シーンに応じて使い分けてほしい。
■日常生活での使い方
日常生活で「共々」を使う場合、地域の付き合いや公共施設でのやり取りなど、かしこまったシーンで使うのがおすすめだ。
【例文】
「先日引っ越してきた○○と申します。家族共々、よろしくお願いいたします」
「これから6年間、親子共々お世話になります」
「昨年は夫婦共々お世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます」
■ビジネスシーンでの使い方
ビジネスシーンにおける「共々」は経営陣や取引先とのやり取りなど、フォーマルなシーンで使用される。
【例文】
「度重なるご支援をいただけたこと、社員共々感謝申し上げます」
「本プロジェクトは長期にわたることが見込まれますので、メンバー共々、何卒よろしくお願い申し上げます」
共々の言い換え表現
ここからは、共々の言い換え表現を紹介する。共々の使用が失礼に当たる場面では、これらの表現に言い換えられないか検討しよう。
■共に
「共に」は、複数の人や物が同じ行動、状態であることを指す言葉。共々よりも柔らかく、日常会話で使いやすい。また、ある事象の発生と同時に別の事象が発生することを指して使うこともできる。
【例文】
「母と共に夕食の買い出しに向かう」
「冬の到来と共に病気が流行する」
■一緒に
「一緒に」は、複数の物事がそろっている、ひとまとめである様子を指す。「共に」よりもさらにくだけた表現であり、日常会話でも積極的に使用できる。
【例文】「買い物に一緒に行くよ」
■一斉に
「一斉に」は、複数の人や物が同時に行動を起こすこと、同じ状態になることを指す言葉。共に、一緒にと比べて、行動が偶然に一致するニュアンスが強い。
【例文】「悲鳴を聞いた人々は一斉にそちらを振り返った」
■一同
「一同」は、その場にいる全員をまとめて表現する言葉。共々と同じく「スタッフ一同」「卒業生一同」のように関係性と並べて使うことが多い。
【例文】「スタッフ一同、今後もサービスの品質向上に取り組んでまいります」
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部