8月の日向灘地震、神奈川県西部地震を受け、各家庭では防災用品を今一度確認し、新たに防災、備蓄のためのアイテムを買いそろえた人も多いと思う。
防災の日を機に基本的な防災用品・備蓄の再確認を!!
基本的な防災用品と言えば、水、食料、緊急トイレセット、トイレットペーパー、カセットコンロ、ラップ、紙コップ、LEDライト&ランタン、モバイルバッテリー、常備薬、救急セット、マスク、現金などが挙げられるが、3.11東日本大震災で被災したわが家では、以来、そのほかに「こんなものもあると絶対に便利、助かる」という防災・備蓄アイテムを用意している。9月1日の防災の日を機に、改めて防災・備蓄アイテムを見直してみてはどうだろう。
こんなものもあると便利な防災・避難アイテム
●スマートフォンのネックストラップ
避難しなければならないときはもちろん、情報収集や家族との連絡用に欠かせないスマートフォンを携帯するのが基本。しかし、ポケットのない服で避難することもありうるわけで、片手でスマートフォンを握って避難するのは「避難の際はリュックなどを背負い、両手を開けておく」という鉄則から外れることになる。そんなときに有効なのがスマートフォンの「ネックストラップ」だ。普段は使わなくても、災害時にはとても便利。首から下げておけば、常時、情報を得ることができ、連絡も取りあいやすくなるからである。普段使いしなくても、災害持ち出しリュックなどに引っかけて準備しておくといい。
●手洗い用になる空のペットボトル
これは多くのライフハックとして紹介されているが、空のペットボトルの下部にキリなどで小さな穴をあけたものが、断水時の節水手洗いシャワーになる。ペットボトルに穴を開けると水がこぼれるのでは?と思うかも知れないが、キャップを閉めておけば水はこぼれない。使うときはキャップを開けるとシャワー状の水が出るという仕組みである。災害が起こってからではなく、今すぐに、空のペットボトルを加工して用意しておきたい。わが家では期限切れのミネラルウォーターをこうした用途(パウチ食品の暖めにも)のためにストックしてある。
●ペーパータオル
どこの家庭にもあるはずのペーパータオルも十分な量を備蓄しておきたい。というのも、上記のペットボトルによる手洗いが可能でも、手拭きは必要。平常時には布タオルを使っているはずだが、災害時、断水時には汚れたタオルをいつものように洗うことは困難。そこで手拭き用としてペーパータオルが活躍してくれるのだ。ペーパータオルはその他、様々な用途に使えるからぜひ、ストックを。
●マウスウォッシュ
断水時には歯磨きもままならない。そこで役立つのがマウスウォッシュ。災害時の歯磨き代わりになりうるアイテムだ。
●フェイス&ボディ用ウェットシート
災害時、断水時には、しばらくは顔を洗ったり、お風呂に入り、シャワーを浴びるのは困難。筆者は3.11の際、1カ月以上、上下水道ともに使えず、毎朝夜、近所の公園の仮設トイレと水栓を利用して、顔だけは洗うことができたのだが、それもままならないときは、フェイス用とボディ用のウェットシートを使っていた。災害時は顔や体がホコリまみれになることもあり、大いに重宝したものだ。
どこでもシャワーになるUSB充電可能なケルヒャーのマルチクリーナー
●ケルヒャーのマルチクリーナーOC3 FOLDABLE
災害時、断水時にはお風呂やシャワーが使えない。が、どうしてもシャワーを浴びたければ、裏技がある。そう、ケルヒャーの「マルチクリーナーOC3 FOLDABLE」の使用だ。AC100Vコンセントだけでなく、クルマからもUSB充電できる「どこでもシャワー」として使えるのである(クルマが大丈夫ならUSBソケットからも充電できる)。水は貴重だが、3.11東日本大震災の際も、近所に自衛隊の給水車が来てくれたので、そこで給水させてもらった水を利用することもできるわけだ。
●使い捨てバスタオル
ケルヒャーの「マルチクリーナーOC3 FOLDABLE」をシャワー代わりに使えたとしても、問題はどうやって体を拭くか?である。洗濯ができないため、バスタオルを使い続けるのは不衛生。そこで活躍してくれるのが使い捨てのタオル、バスタオルである。
●点眼型洗眼液
大きな災害時には、空気中が埃だらけになることもある。その埃が目に入ったら大変だ。しかし平時のように洗面所で洗顔することもままならない。そこでウォッシュアイなどと呼ばれる点眼型洗眼液が役に立つ。眼の洗浄、眼病予防に効果的とされ、どこでも眼洗いができるようになるのだ。
キャリーカートも重い荷物の運搬に大いに役立ってくれる
●キャリーカート
3.11東日本大震災で被災した時、大活躍してくれたのが、折り畳み式のキャリーカート。自衛隊の給水車から水を運ぶ、支援物資を受け取る時など、重いものを長距離、手に持って運ぶのは大変だ。そこで折り畳み式のキャリーカートである。水など重いものを運ぶ際にとても便利だった。
●自宅の被災状況の記録
災害時、自宅が損傷してしまった場合、国や自治体からの公的支援制度(補助金)や地震保険請求のための証拠写真は不可欠。そこで、スマートフォンやデジカメで被害状況をなるべく細かく撮影しておくことを薦める。わが家ではそれを忘れないように、壁に「災害被害時は詳細な被害状況写真を撮る」という張り紙を、東京防災の「避難する時の注意点」とともに貼ってある。
文/青山尚暉
写真/青山尚暉 雪岡直樹