人気の定番はカメラと天体望遠鏡
展示の終盤には、ピンホールカメラの仕組みを解説するコーナーがある。このカメラは、非常にシンプルな構造でありながら、光を取り込んで画像を映し出す仕組みを持っている。付録としては非常に人気があり、毎年、多くの子供たちが楽しんだという。ピンホールカメラを通じて、光の性質や画像の焦点の合わせ方などを学べる。
こちらも人気のあった天体望遠鏡。レンズは軽量化のためガラスではなくプラスチック製が採用された
また、糸電話の仕組みを再現した展示もあり、参加者は昔の子供たちが楽しんだ遊びを体験できる。さらに、テルミンという電子楽器の展示もあり、参加者は手を近づけることで音の高さを変えることができる。この体験を通じて、音波の原理や音楽の仕組みについても学べる。
付録好きにはたまらない「科学と学習ふろく大百科」は会場限定発売
ふろく展は全国展開を予定
最後に、この展示会の背景についても触れられている。学研の「科学と学習」は、毎号同じ価格で提供され、付録もその価格内で調整されていたという。また、重量やコストの制約もあり、付録は工夫を凝らして作られていた。編集部の努力や工夫が詰まったこれらの付録は、当時の子供たちにとって貴重な学びの道具であり、現在もその魅力を失っていない。
「皆さん自分の思い出に残っている付録を探して来られますね。これが見たかったと言って。毎年、学年が変わるので、人気の付録のラインナップは変わりませんが少しづつ改良されています」と池田さん。
今回の展示は、過去の懐かしい記憶を呼び起こすだけでなく、未来の科学教育の可能性を感じさせるものである。「IMAGINUS」を起点として今後、全国を巡回し、さらに多くの人々にその魅力を伝えていくという。
創刊号からの付録リストも展示、空欄の部分は不明なので読者からの情報をお待ちしているとのこと
写真・文/ゴン川野