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企業で利用されている生成AIの用途、3位企画立案時のアイデア出し、2位文章の要約・校正、1位は?

2024.08.21

主に活用しているサービス「ChatGPT」が84.2%と突出!活用内容は「情報収集」が59.9%

生成AIを活用している企業に対して、活用しているサービスについて尋ねたところ、「ChatGPT」が84.2%と突出して高く、以下、「Copilot for Microsoft 365」(26.8%)、「Gemini」(19.6%)と続いた。

生成AIを活用している企業に対して、活用の効果について尋ねたところ、「大いに効果あり」が36.1%、「やや効果あり」が50.6%と合わせて9割近くの企業が一定の効果を感じていることが判明。特に、規模が小さい企業の方が、効果を感じている傾向が表れている。

他方、『効果なし』(「あまり効果なし」「まったく効果なし」の合計)と捉える企業は1%程度と極小となった。

生成AIを活用している企業に対して、活用の用途について尋ねたところ、「情報収集」(59.9%)が約6割で最も高く、以下、「文章の要約・校正」(53.9%)、「企画立案時のアイデア出し」(53.8%)が上位に並んだ。

ビジネスパーソンが日常的に行う業務であり、プロンプトが比較的容易なため、取り組みやすいことが要因であると考えられる。

生成AIの推進体制、企業の半数超で内製化。ただし、従業員数が多いほどその割合は低下

生成AIを活用している企業に対して、活用するうえでの推進体制について尋ねたところ、「すべて内製」が57.6%と半数以上という結果に。「ほぼ内製で一部を外注している」(15.3%)、「ほぼ外注している」(6.9%)を合わせると外注の割合は約2割であった。

従業員数別にみると、従業員数が増加するにつれて内製の割合は低下する傾向が表れている。

生成AI活用に対する理解、『経営者』と『一般社員』に大きなギャップあり

生成AIを活用している企業に対して、生成AIを活用することへの『経営層の理解』について尋ねたところ、「大いに理解あり」が51.7%、「やや理解あり」が28.0%となった。

とりわけ回答者の階層別に「大いに理解あり」の傾向をみると、『経営者』は67.7%と6割を超える一方で、現場を支える『一般社員』からみると30.4%と、『経営者の理解』について30ポイント以上のギャップが生じている。

他方、同様に『現場の理解』について尋ねたところ、「大いに理解あり」が23.9%、「やや理解あり」が35.6%となった。

同じく回答者の階層別に「大いに理解あり」の傾向をみると、『経営者』は29.7%、『一般社員』は19.6%にとどまり、一般社員による現場評価が低い。

指針やガイドライン策定状況、5割以上の企業で「策定に前向き」だが、リスク対応について45.1%が部門は決まっていない

生成AIを活用している企業に対して、指針やガイドラインの策定状況について尋ねたところ、「策定している」企業は19.5%となった。

また「現在、策定中」(9.5%)、「策定を検討している」(23.5%)を合わせた『策定に前向き』な企業は52.5%と5割を超えている。他方、「策定していない」企業は43.5%という結果に。

「策定している」割合を従業員数別にみると、「1000人以上」(61.3%)で6割を超え、「100人以上1000人未満」(37.0%)で3割以上となり、従業員数が多いほど指針やガイドラインなどを策定していることが判明。

また、「策定している」企業は従業員一人当たりの売上高が高い傾向にあり、AI活用に限らずルールが整備されていることが生産性向上に寄与することを示唆している。

他方、策定していない理由について尋ねたところ、「必要性の優先順位が低いため」(39.2%)がトップとなり、「策定ノウハウ(人材がいない等)がない」(33.3%)、「AIを利用した製品やサービスを開発・提供していないため」(32.9%)が3割台で続いた。

生成AIを活用している企業に対して、リスク・トラブルの対応方法について尋ねたところ、「特に部門は決めていない」(45.1%)がトップとなり、「専門ではないが特定の部門(総務など)で対応」(22.5%)、「各部門で対応」(17.4%)と続く。

また、活用指針やリスク対策の情報開示状況は、「自社のウェブサイトで開示」(5.7%)や「サービスの説明資料で開示」(3.8%)など、『いずれかの方法で開示』している企業は13.8%であった。

また、「開示を準備中」が8.5%となったが、「開示していない」が66.6%と開示に対する意識は低い状況にあるようだ。

企業規模が大きいほど、運用体制が充実している傾向にあったが、急速にAIの利用が広がるなか、ガバナンス整備が追いついていないことがうかがえる。

生成AI活用の懸念や課題は「AI運用の人材・ノウハウ不足」が54.1%でトップ

活用するうえでの懸念や課題について尋ねたところ、「AI運用の人材・ノウハウ不足」(54.1%)がトップに。以下、「情報の正確性」(41.1%)、「生成AIを活用すべき業務が不明確」(39.1%)と続いた。

企業からは、「会社でどのように活用できるか分からない」「まだまだAIは嘘をつくので、真偽を確かめる必要がある」「一般論ではなく具体的な回答が得られない」「世論誘導される危険性」などの声が聞かれた。

まとめ

本調査の結果、生成AIを活用している企業は17.3%にとどまった。生成AIの登場により、ホワイトカラーの仕事は大きく変化している。

人がやらなくてもよい作業を生成AIが行うことで、従業員は従来の業務から解放され、より創造的な仕事に集中することが可能になる。こうしたメリットの理解について経営者と一般社員の間にはギャップが見られた。

このギャップを解消するためには、経営者がビジョンを描き、その目的を達成するために生成AIの活用が有効であることを組織内で共通認識として広める仕掛けも必要となろう。

生成AIの技術は目覚ましいスピードで進化しており、活用の研修やツールとのAPI連携も増えており、今後益々、活用範囲は広がっていくと考えられる。

一方、3割程度の企業が「著作権・プライバシー保護など法規制」「情報漏洩などセキュリティ不安」といったリスクに懸念を抱いている。

活用を進めていくためには、生成AIがもたらすリスクを理解し、社内利用のガイドライン整備なども各企業が取り組んでいく必要がありそうだ。

調査概要
調査期間:2024年6月14日~7月5日
有効回答企業数:4,705社(インターネット調査)
※ 属性の分析には、企業概要ファイルCOSMOS2(147万社収録)を使用

関連情報
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p240802.html

構成/Ara

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