近年、ニュースやメディアで「生成AI」が取り上げられる機会が増え、指示を与える構文「プロンプト」のテンプレート展開、動画投稿サイトでの活用方法紹介、イベントでの企業の取り組み事例紹介など情報が溢れるようになった。
活用用途は広がりを見せ、企業の間でも生成AIを取り入れようとする動きが盛んだ。人手不足が慢性化するなか、生産性向上への活用やビジネスチャンスの創出への期待が高まっていることがうかがえる。
そこで、帝国データバンクは4,705社を対象に、現在の生成AIの活用状況について調査を実施した。
『生成AI活用』企業は17.3%、うち9割近くの企業が一定の効果を実感
所属企業において業務で生成AIを活用しているか尋ねたところ、「活用している」は17.3%、「活用していないが検討中」は26.8%となった。
生成AIの活用に世間で注目が集まっているものの、「活用しておらず予定もない」企業は48.4%と半数近くにのぼっている。
「活用している」割合を従業員数別にみると、『1000人以上』(36.9%)で3割を超えた一方で、『100人以上1000人未満』(18.2%)、『50人以上100人未満』(13.9%)、『10人以上50人未満』(14.3%)、『10人未満』(17.8%)はそれぞれ1割台だった。
業種別では、『サービス・その他』(28.0%)がトップとなり、『小売』(20.4%)が続く。『運輸・通信』(10.4%)や『建設・不動産』(9.4%)では活用が進んでいない実態が明らかに。
とりわけ、IT企業などを含む『サービス・その他』は、最新テクノロジーやツールに対してのイノベーターやアーリーアダプターが多く存在することが、活用割合が高い要因のひとつと考えられる。
他方、建設や運輸業界においては、規模が小さくなるほどバックオフィスの割合が低くなり、AIを活用して効果を得るほどの作業量がないため、活用が進んでいない可能性がうかがえた。
また、業歴が浅い企業や代表者年齢が低い企業で活用している傾向が表れ、新興企業・スタートアップ、若い経営者は新しいものを積極的に取り入れていく意向が高いようだ。