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8割以上が気がつかない!?減塩しょうゆの味くらべをしたところ衝撃の結果が…

2024.08.22

減塩しょうゆの製法には3種類ある

この日の解説によると、減塩しょうゆの製法には以下の3種類があるとのこと。

(1) イオン交換膜で塩分だけを除去する「脱塩法」
(2) 水で希釈して塩分を減らす「希釈法」
(3) 超低塩の塩分濃度でもろみを仕込む「超低塩法」(キッコーマンの特許製法)

キッコーマンによると、(1)だと高品質な食塩分8%程度の減塩しょうゆが実現するが、脱塩設備が必要なため、生産コストが高くなる。(2)だと生産コストは安価だが、希釈することで、香りや旨み成分も除去されてしまう。

(3) の「超低塩法」とは、しょうゆの原料となるもろみの塩分濃度を超低塩で仕込む製法

塩分の少なさを補うために大豆と小麦を1.2倍使って仕込むことや、衛生面を最大限考慮した専用設備で製造するため、3つの製法の中で最も高コストになる。しかし、香りや旨み成分を除去せずに、塩分濃度5%未満の超低塩しょうゆをつくることができるのだという。

2020年2月に発売された「いつでも新鮮 超減塩しょうゆ 食塩分66%カット」(左/450ml:希望小売価格421円、右/200ml:希望小売価格311円 いずれも税抜) ※画像提供/キッコーマン

ちなみに、キッコーマンが東京大学医学部の要請を受け、通常のしょうゆに比べて塩分を大幅にカットした「保健しょうゆ」を開発し発売したのは、1965年(1967年に「減塩しょうゆ」に商品名を変更)。当初は病院の給食用として使われることがほとんどだったが、健康意識の高まりとともに、1970年代後半からは広く一般の家庭でも使われるようになったとのこと。

保健しょうゆ発売時のポスター ※画像提供:キッコーマン

減塩しょうゆに変えても、8割以上が気がつかない?

「かつてしょうゆには生臭さを消す消臭機能や、日持ちをよくする静菌機能が求められていたため、ある程度の塩分が必要だった。しかし流通や家電の進化で、新鮮でおいしい食材がいつでもどこでも手に入るようになった結果、現代のしょうゆに求められる機能はおいしさに限定されるようになった。減塩しょうゆくらいの味の濃さのほうが、食材のおいしさが引き立ち、好まれる傾向になっている」(キッコーマン)。

もしかしたら(筆者のように)しょうゆの味のスタンダードが変化しているのに気づかず、単に習慣でこいくちしょうゆを使い続けている人は、意外に多いのかもしれない…。ちなみに、キッコーマンが家のしょうゆを「味わいリッチ減塩しょうゆ」に変えて家族が気がつくかという実験をしたところ、なんと8割以上が「気づかなかった」という結果が出たとのこと。

取材・文/桑原恵美子
取材協力/キッコーマン

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