初めての「減塩しょうゆ」の比較味見体験
減塩しょうゆの味比べを体験できたのは、2024年7月30日にキッコーマン本社で行われた、商品説明会。新商品の説明がひととおり終わった後で、キッコーマンの「超減塩しょうゆ」の取り組みについてのレクチャーがあったのだ。
キッコーマンの商品説明会で、「キッコーマンが目指す、しょうゆの価値提案」について語る、キッコーマン食品 プロダクト・マネジャー室 しょうゆ・みりんグループマネージャー 茂木篤氏
キッコーマンが特許製法の「超低塩法」(後述)によって、通常のこいくちしょうゆ(食塩分17.5%)から塩分を過去最高の66%カットすることに成功したということ、これまで公開してこなかったその方法についての説明があった。
その後、実際に塩分を66%カットした「いつでも新鮮 超減塩しょうゆ 食塩分66%カット」(以下「66%カットしょうゆ」)、「いつでも新鮮 味わいリッチ減塩しょうゆ」(以下「40%カットしょうゆ」)とを比較。さらに「40%カットしょうゆ」と「こいくちしょうゆ」で味付けしたほうれん草のお浸しと、豚肉の生姜焼きを食べ比べできる場が用意された。
(左)「いつでも新鮮 超減塩しょうゆ 食塩分66%カット」、(右)「いつでも新鮮 味わいリッチ減塩しょうゆ」(40%カット)
まず、香りから嗅いでみる。どちらも麹特有の甘い香りがあるが、「66%カットしょうゆ」のほうが、断然強く感じる。そして、66%カットしょうゆの方から箸の先に少しだけしょうゆをつけて、少しだけなめてみる。最初の感想は「これ、ふつうのこいくちでは?」「間違えてないか?」ということだ。ふだん使っているしょうゆって、こういう味だというイメージ。
続いて「40%カットしょうゆ」を同じように味見してみる。その瞬間、衝撃が走った。
「しょぱーーーーい!!!!」
66%カットしょうゆの直後になめると、40%カットしょうゆなのに、むせるくらいしょっぱいのだ。こんなにしょっぱくて40%塩分カット?だましてないか?という疑問がわくほどだ。周囲の記者たちにも同じような動揺が見られる。
ここで茂木氏から解説。「減塩しょうゆとこいくちしょうゆで比較することも検討したが、減塩しょうゆとの比較だとこいくちしょうゆがあまりにしょっぱく感じられるので、減塩しょうゆ同士の比較にした」とのこと。確かに、66%カットしょうゆと40%カットしょうゆだけでこんなに味が違うとすれば、こいくちしょうゆがあったら、減塩しょうゆ同士の差がわからなくなってしまったかもしれない…。
確かに食べ比べをしてみると、ほうれん草のお浸しでは、40%カットしょうゆのほうがほうれん草の味がよくわかっておいしかった。こいくちしょうゆだと、はっきりとしょうゆの味しかしないので、かつおぶしをかけたり、ひと手間加えたくなるが、40%カットしょうゆなら、しょうゆ自体のうまみだけでいけるのだ。
しょうが焼きも、どちらもそれぞれおいしかったが、こいくちしょうゆ使用のほうは白いご飯がないと食べづらい感じ。それに対して40%カットしょうゆなら、そのまま食べられる。減塩しょうゆを使うことは白飯の食べ過ぎ防止にも効果があることが実感できた。