重度の高血圧は、血管性認知症のリスクが10倍
“糖質の摂りすぎ”と並んで多くの人が気にしているのが、“塩分の摂りすぎ”だ。
ご存じのように、塩分を摂りすぎると高血圧症になりやすく、血圧が高くなれば動脈硬化が進み、脳卒中や心臓病を引き起こす確率が高まる。また「日本健診財団」の発表によると、高血圧になると血管性認知症(脳梗塞や脳出血など、脳の血管障害によって起こる認知症)のリスクが高まるというデータがある。九州大学大学院医学研究所の研究では、重度の高血圧の人は、正常な血圧の人と比べ、最大で約10倍も血管性認知症を発生しやすいと報告されている。
こうした健康知識が広まったこともあり、日本人の2019年の1日の食塩摂取量の平均値は10.1gであり、個人別の摂取量を把握できるようになった1995年(13.9g)からみると長期的に減少傾向を示している(下のグラフ参照)。しかし厚生労働省「健康日本21(第二次)」では、食塩摂取量の目標を1日8gとしており、目標には達していない。
※厚生労働省健康局健康課栄養指導室(2022年2月発行)より
また、各国の食塩摂取量と比較しても、日本は他国よりも塩分摂取量が多く、世界保健機関(WHO)が推奨している量(1日5g未満)の約2倍摂取している状況だ。
※厚生労働省健康局健康課栄養指導室(2022年2月発行)より
筆者も健康診断のたびに血圧でひっかかるので、食品を購入する時には、同じ食品なら“減塩”と表示されたものを選ぶことが多い。だがどうしても、減塩に手が伸びないのが、しょうゆだ。最近は減塩技術の進歩により、どんどん減塩の割合が進んでいる。あまりに塩分ひかえめだと味がぼやけてしまうので、量を多く入れなければならず、結果的に塩分量はそう変わらないのでは? そんな疑惑をうっすら抱いていたからだ。
キッコーマンの減塩・低塩しょうゆのラインナップ。これだけ種類があるのに改めて驚いた ※画像提供/キッコーマン
だがなんとなくそう感じてはいたものの、実際に減塩しょうゆと普段使っているこいくちしょうゆの味比べをして確かめたわけではない。ずっとモヤモヤしていたが、最近、それを確かめる機会があったので、結果を報告したい。