気になる走行性能、居住性、電費は?
いよいよ、試乗スタート。メルセデス独自のコラムシフトのギアレバーでDを選び、ダイナミック走行モードは、「コンフォート」を選択。「エコ」「スポーツ」「インディビデュアル」は途中から切り替えて選択した。この各モードでは、エンジン/ダンパー/ステアリング/ESPがエコ/コンフォート/スポーツの3つの仕様に設定できる。
走り出して感じたのはハンドルの重さだ。そのせいか、かなり直進性が強い。ハンドルを切り込んでいく時も、抵抗があり、戻しも強めだ。その理由だが「EQA」は、フロントモーター、フロントドライブのFF、EV車だから。久々にFF車らしいハンドリングのクルマをドライブした。
「コンフォート」モードでの乗り心地は、低速から細かいザラつきとゴツゴツ感があり、車速が高まると、短い周期の上下動も加わる。「コンフォート」モードとしては、硬めの設定だ。もう少しソフトな味付けのほうが「コンフォート」モードらしい気がする。
そこで「スポーツ」モードに切り替えたが、乗り心地の硬さは感じたが「コンフォート」モードとの差は小さい。唯一、電力消費を表わすメーターが、アクセル・オンで一気に100%に達するのが、「コンフォート」と「スポーツ」の違いといっても過言ではないほど、両者の差は少なかった。
もっと「コンフォート」はソフトに、「スポーツ」はハードに設定したほうが、使い分けにメリハリが出るような気がした。走行中の回生はパドルレバーで操作できる。これも初期型は5段階の手動設定だったが、新型は3段階に改められていた。
右のレバーを引くと、「通常」「強力」「最大」が選択できる。左のレバーで設定を戻せる。「最大」にしても、完全に停止することはなかった。動力性能だが、Dレンジ、「コンフォート」モードで0→100km/hの加速を計測したが8秒台前半だった。ちなみに、初期モデルは7秒台後半なので、0→100km/h加速に関しては、ややおとなしい設定になったといえる。
居住性に関しては、全高が1625mmなので、前後席とも頭上の圧迫感もなく、後席は床もフラットで、大人3人掛けも可能な広さが確保されている。ラゲージスペースも奥行きは約800mm、左右幅は1000mm以上あるので、かなり容量がある。ゴルフバッグなら通常サイズで4バッグは積めそうな広さだ。
ただし、充電用のケーブルはサブトランクにも入らず、収納バッグはラゲージスペースに置くしかなかった。充電だが200Vの普通充電で、88%から100%までの12%充電で約22時間と表示された。100%満充電での走行可能距離は515kmの表示。試乗中の平均電費は5.5km/kWhだった。
試乗車の車両価格は771万円(消費税込み)。最近の車両価格の値上がりの中で、この車格で、この価格はメルセデス・ブランドとしてはバーゲンプライスといえるのではないだろうか。
■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/eqa/overview.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博