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土曜ランチの定番といえばコレ!ブラジル人のソウルフード「フェイジョアーダ」とは?

2024.08.17

フェイジョアーダは土曜のお昼に食べる!?

ブラジルでは伝統的に「土曜日はフェイジョアーダの日」といわれており、特に土曜日のお昼にフェイジョアーダを食べる習慣がある。なぜなのだろうか?

その理由を探るため、まずはフェイジョアーダの起源を振り返っていきたい。

フェイジョアーダの起源については諸説あるが、一般的に広く認識されているのは、ブラジルの植民地時代にアフリカの奴隷たちによって作られたものがはじまりという説だ。

16世紀、ポルトガルからブラジルに持ち込まれた黒豆は、現地の食文化と融合しながら発展していった。奴隷たちは、本来であれば捨ててしまうような豚肉の部位(耳や内臓など)を使い、これを黒豆と一緒に煮込むことで栄養価の高い料理を作り出した。当初は貧しい奴隷たちの安価な食事として知られていたが、次第にブラジルの各地域に広まり、その人気は急上昇したという。

フェイジョアーダがブラジル全土に広がる過程で、そのレシピは多様化し、地域によって異なるバリエーションが生まれた。たとえばリオデジャネイロでは豚肉のさまざまな部位を使うのに対し、サンパウロではベーコンやソーセージがメインで豚足や耳は使わずに調理される。

またブラジル北部のパラ州ではココナッツミルクを加えたクリーミーなシチューのような味付けのフェイジョアーダも存在し、国内のさまざまな地域で各地の特性や調理法が反映されている。ブラジル国内を旅しながら、さまざまな地域で少しずつ味の異なるフェイジョアーダが楽しめるのも、この料理の面白みのひとつである。

各地域でアレンジされるフェイジョアーダ

さまざまな地域で発展しながらブラジルの国民食となったフェイジョアーダは、田舎のローカルレストランで気軽に食べられる一品でありながら、カーニバルなどの祝祭時には家庭でも振る舞われる特別な食事として、ブラジル人のソウルフードとなっていった。

フェイジョアーダは肉・豆を鍋でじっくり時間をかけて煮込むことから、家庭では特別な日や週末に作られることが多いという。仕事を終えた金曜日の夜に一晩かけて煮込み、それを土曜のお昼に家族や友人と一緒に、大人数で取り分けて食べるというのがブラジル人の習慣として次第に根付いていった。

現在でも土曜日を「Dia da feijoada(フェイジョアーダの日)」として、土曜日にフェイジョアーダを看板メニューとしているレストランが多い。土曜日だけビュッフェスタイル(食べ放題)で提供されたり、他の曜日よりも安価で食べられたりすることもある。

土曜日のお昼に賑わうフェイジョアーダの有名店

かつての奴隷たちの食事が、300年近く経った現代のブラジルにおいても、国民食として愛されているフェイジョアーダ。それは単なる伝統料理に留まらず、奴隷制度から現代社会への移行、ブラジル人の食文化、地域ごとの文化的な変化、そしてブラジル人のアイデンティティを象徴している。

日本でもブラジル料理店とうたっているレストランであれば、間違いなくフェイジョアーダが提供されているだろう。ブラジル全土で広く愛されているブラジル人のソウルフードをぜひ地球の裏側でも味わってみてはいかがだろうか。

世界はうまいで満ちている。

文・写真/生方梨和(海外書き人クラブ/ブラジル在住ライター)
フリーライター。慶応義塾大学法学部法律学科卒。2022年よりブラジル・リオデジャネイロに滞在。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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