デコ活
COをはじめとする温室効果ガスの排出により、地球温暖化や気候変動が問題視されているのは周知の通り。このまま進行すると食料供給、生態系、人々の健康にまで懸念が広がる。そこで世界的に急務とされているのが、脱炭素への取り組みだ。我が国では2020年10月に当時の菅義偉首相が50年カーボンニュートラルを、21年4月に、30年度までのCOなど46%削減を表明。それを受け、22年10月に開始されたのが「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを作る国民運動」で、23年7月に「デコ活」の愛称が決まった。
「今回、政府は関係予算に約3000億円を計上し、断熱省エネ住宅への改修やEV購入などに助成・補助金を用意。ほかにもテレワークの推進、サステナブルファッションの選択、食の地産地消、食材の使い切りなど、個人でも手軽に取り組める『デコ活アクション』を提示しています」(ニッセイ基礎研究所・小原一隆さん)
環境省はこのデコ活により、10年後、年間で1世帯あたり約43万円の節約と、1人あたり388時間が創出されると試算し、アピール。今後「デコ活」が定着するか否かは、脱炭素に対する国民意識の向上と行動変容にかかっている。
脱炭素削減目標とそれに伴う豊かな暮らしの実現は、一人ひとりがデコ活を自分ごととして捉えることから始まる。身近なことから実践していく草の根意識の定着が鍵となりそう。
CO2を減らす脱炭素と、活動・生活を組み合わせた「デコ活」の愛称は、公募を経て小池百合子東京都知事、俵万智さん、サンドウィッチマンらの選考委員により決定された。
※節約金額等は一定の前提のもと試算したもので、条件により異なります。
取材・文・編集/原口りう子