最近、街中でよく見かけるようになった本格オフロード仕様のSUV。中でも特に人気の高い2台を今回はピックアップ。どんな楽しみ方ができるのか、詳しくレポートしたい。
街中で時折見かけるオフロード仕様の大型SUV。一度乗ってみたいと思っている人も多いのではないだろうか。このカテゴリーに新型車が登場した。三菱が世界戦略車として2023年夏から生産、販売を開始した4ドア5人乗りのピックアップトラックだ。荷台のあるクルマはトラックと呼ばれているが、中でも遊び心が加味されているものはピックアップトラックと呼ばれている。『トライトン』と名付けられた三菱のピックアップは、タイの工場で生産され、フィリピンやオーストラリアでの販売をきっかけに世界約150か国に輸出されている。日本市場への投入は実に12年ぶりとなるが、昨今のSUVブームとクルマの多様化に対応するために、日本市場への投入を決めたという。この決断は正解だったようで、昨年12月に受注が始まると2か月で月販目標台数の6倍以上の注文が入った。これまで、国内メーカーのピックアップはトヨタの『ハイラックス』だったが、強力なライバルが出現したことになる。
今回『トライトン』を富士山麓のオフロードコースと高速を含む一般道で試乗した。オフロードコースでの『トライトン』はストロークたっぷりの新開発サスペンションと『パジェロ』譲りの4WDシステムで、岩場、泥ねい地、モーグル路を難なく走破した。一般道や高速道では2輪駆動よりも4輪駆動のほうが走行安定性に優れていたのが印象的だった。もちろん、ワイルドなスタイリングもワクワクさせられる。
一方のジープ『ラングラー』は外観のマイナーチェンジと新グレードの設定を今年5月に実施。現行モデルは2018年に上陸し、昨年末までの5年間に2万5000台以上を販売した大ヒットモデルだ。ところがこのところの急激な円安などで車両価格が上昇したことで、新たに低価格モデルを設定した。当然、一部の装備が簡素化したり、取り除かれたりしたが、車重も2トンを切るところまで軽量化に成功。直4、2Lガソリンターボでの走りも0→100km/hの加速は7秒台と速く、コーナーリングの安定感も良好だった。
どちらのクルマもハンドルを握るだけでクルマの新しい楽しみ方を体感することができる。ぜひ、趣味のクルマとして一度乗ってみてほしい。
カッコよく遊びたい大人のピックアップ
三菱『トライトン』
Specification
■全長×全幅×全高:5360×1930×1815mm
■ホイールベース:3130mm
■車両重量:2140kg
■排気量:2439cc
■エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボ
■最高出力:204PS/3500rpm
■最大トルク:470Nm/1500〜2750rpm
■変速機:6速 スポーツモードAT
■燃費:11.3km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:540万1000円
※「GSR」
大きなフロントグリルの開口部と高さのあるボンネットはアメリカ車のピックアップのよう。全高は『ラングラー』より30mm低く、全幅は『ラングラー』より35mm広い。
ボディー後部は荷台だが空荷の状態でも走行中に後輪がポンポンと跳ねるようなことはなく新型のサスペンションが機能している。ホイール/タイヤは18インチで265/60Rを装着している。
荷台用のキャノピーもオプションで登場。これを装着すれば、荷台を荷室として使えるのでキャンプでも活躍しそう。2車種あるがいずれも4駆仕様。最低地上高は220mm。
先進性、安全性、快適性能を大幅アップデート
ジープ『ラングラー』
Specification
■全長×全幅×全高:4870×1895×1845mm
■ホイールベース:3010mm
■車両重量:1990kg
■排気量:1995cc
■エンジン形式:直列4気筒ガソリンターボ
■最高出力:272PS/5250rpm
■最大トルク:400Nm/3000rpm
■変速機:8速AT
■燃費:9.8km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:799万円
※「アンリミテッドスポーツ」
新モデルは7分割されたスロットグリルの両端にヘッドライトのリンクが食い込んでいるのが特徴。あとはこれまでフェンダーの横にあった固定アンテナがなくなりウインドウ内蔵になった。
全長は『トライトン』より490mmも短いが、ホイールベースは120mmしか短くない。ホイールは17インチ、タイヤは245/75Rサイズ。サイドステップはオプションだが欲しい装備。
フルサイズのスペアタイヤやタイヤカバーは標準装備。さらにリアカメラやパークアシストセンサーも装備されている。ボディー+スペアタイヤは右ヒンジ、ウインドウはハネ上げ式。