冷戦時代のブロック経済とその崩壊
戦後の米ソ冷戦時代、世界は資本主義と社会主義という二つのブロックに分かれて対立していました。西側諸国はアメリカを中心とした資本主義経済圏を形成し、東側諸国はソ連を中心とした計画経済圏を形成しました。これにより、各国は自国の経済を守るためにブロック経済を推進し、貿易や金融取引を制限する政策が取られました。
西側諸国は、マーシャル・プランなどの経済援助を通じて、ヨーロッパ諸国の経済復興を支援しました。一方、東側諸国はソ連の主導の下で経済を運営していましたが、計画経済の非効率性が次第に明らかになり、経済成長は停滞していきます。
冷戦の終結により、東側諸国のブロック経済は崩壊し、市場経済への移行が進められました。特に東欧諸国は民主化と同時に市場経済を導入し、資本主義経済圏に組み込まれることで、経済成長を再び軌道に乗せることができました。しかし、移行期にはハイパーインフレや失業率の急増などの問題も発生し、一部の国では社会不安が広がりました。これにより、冷戦時代のブロック経済が各国の経済成長に与えた影響は、その後の世界経済の構造に大きな変化をもたらしたのです。
おわりに 今後の世界恐慌に備えるための教訓
これまでの歴史を振り返ると、世界恐慌によって明暗が分かれる国々の違いは、植民地の有無、経済政策の選択にあることは明らかな事実です。今後、同様の経済危機が発生する可能性は排除できず、各国はこれまでの教訓を生かして備える必要があるかもしれません。
また国際協調も欠かせません。グローバル経済がますます相互依存を強める中で、一国だけで危機を乗り越えることは不可能だからです。
これまでの教訓を活かしながら、G20などの国際機関を通じて、各国が協調して危機に対応することが求められていると言えるでしょう。
これで今回の金融経済アルキ帖はおわりです。
次回もお楽しみに!
文/鈴木林太郎