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1億7050万円もするスピーカーの音色とは?東京インターナショナルオーディオショウで聴いたソナス・ファベールのフラッグシップモデル「Suprema」

2024.08.20

リヴィオ・ククッツァ氏による解説と試聴

「Suprema」(シュプレーマ)の開発を担当してセッティングのために来日しているリヴィオ・ククッツァ氏は語る。

「シュプレーマの開発は2021年からスタートしました。投資グループからの投資により、人材とテクノロジーが自由に使えるようになったんです。自社でのドライバー開発にも着手して、生まれたのがカメリア・ミッドレンジです。振動板の周囲5箇所をカットして不要な残響を抑え高域の特性を改善しました。さらに2基のツイーターを組み合わせて40kHzまで高域を伸ばしています。ミッドウーハーとウーハーで45~430Hzを再生します。超低域をサブウーハーに任せることでハイスピードな低域再生を実現しました。低域は位相の影響を受けやすいのでサブウーハーは別筐体として、その部屋のベストポジションに置けるようになっています。これに伴い、クロスオーバーネットワークも新設計しました。別筐体でDSPを使わないアナログ方式を選びました。今回はサブウーハーのみ、このネットワークを使っています」

説明が終わり、照明が少し落とされると「Suprema」による音楽再生が始まった。試聴はリヴィオ氏の選んだイタリアの曲からスタートした。その後、ビッグバンド、最後はカティア・ブニアティシヴィリのラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番のエモーショナルな演奏でしめられた。

合計4発の38cmウーハーが体の芯まで震わせる超低音を響かせると思ったのだが、その予想は見事に外れた。ソナス・ファベールは、そんなハッタリを効かせるような下品なことはしないブランドなのだ。あくまでも等身大の音像と音量で演奏は始まった。これだけ巨大なスピーカーで、こんなにもシャープな音像定位が得られるという玄人向けの選曲である。ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番はピアノの存在感がすごい。実際、グランドピアノは重いもので500kgもある重量級の楽器で金属の骨格に弦が張られている。それをハンマーで叩き、響板で響かせる。ピアノの音は小型スピーカーではなかなか再現が難しいのだが、「Suprema」から発せられる音は重厚な響きがあり、確かな実在感のある音だった。特にタイトな低音が特徴で12Hzまで再生できるサブウーハーが隠し味になっていたに違いない。

日本での試聴にはブルメスターのパワーとプリアンプが使用された

「Suprema」の開発リーダーであるリヴィオ・ククッツァ氏がスピーカーのセッティングと解説をおこなった

「Suprema」の技術をフィードバックさせた小型2Way「Concertino G4」予想実勢価格約85万円(ペア)も紹介された。最初の300ペアはマエストロエディションとして販売予定とのことだ

画像左上のクロスオーバーネットワークは別筐体でデュアルモノのフルバランス回路でアナログ方式を採用している

フロントパネルを開けるとカットオフ周波数を決めるためのダイヤルなどが上下でLRに分かれてズラリと並ぶ

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