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緊急提言!猛暑からペットを守る熱中症対策

2024.08.18

実はわかりにくい熱中症の初期サイン

「今では多くの飼い主さんが、ペットの熱中症の危険性について、よく認識されています。『熱中症の始まりの時のサインはどんな状態ですか?』という質問を受けることがありますが、怖いことに多くの場合、急速に(症状が)進んでしまうので、犬に典型的なハァハァすること以外は、症状からはわかりにくいのです。たとえば猫はじっとしているだけかもしれません。

ある程度、前兆と思われる症状で、おなかを壊したり、食欲が低下したり、便が少し緩めになったり、吐いたりすることもあります。でも、回数がとても少ないことが多いので、疑うことは多くても、はっきりと『これが熱中症の初期症状だ』とは、わからないのです。

はっきりとわかるのは、飼い主さんの言葉からで、暑い時間の散歩や移動、エアコンが効いていない部屋や、直射日光の当たる場所にいて具合が悪くなった、という説明。そして、体温計で明らかに体温が上昇している時に、熱中症だと診断することが可能なのです」と岡田先生。

熱中症の初期症状は多様で、体温の上昇以外には、こうなったから、熱中症だと診断しにくいこと。そして、重要なのは、飼い主さんがペットの行動を把握していることだと、岡田先生は教えてくれた。

ペットを24時間、絶えず見守っていることは難しいが、今年の猛暑では、ペットが暑い場所を体験したかどうかだけでも、把握しておくことが大切だろう。

ペットのいる家庭では夏の24時間エアコン稼働は必須!

横浜市の資料によると、人間の熱中症は室内と屋外でおおよそ45:55の割合で、屋外の発生が多い。しかし、屋内の発生も4割以上。犬や猫も基本的に人と暮らす動物なので、人間と同様に、室内での発生は多い。

「つい最近も、熱中症が原因と見られる老夫婦の死亡事件が報道されていました。体温調節機能が低下した後期高齢者が、寝ている間に脱水が進み、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こして無くなるケースがほとんどです。

実際、私も知っている飼い主さんが熱中症で亡くなってしまいました。ペットは無事でしたが、ひとり残されてしまったのです。それ以来、後期高齢者の飼い主さんが、夏に診察にいらっしゃるときは、おせっかいでも必ず『エアコンずっと着けていますか?』と聞くようにしています。

色々な理由があるようですが、意外とエアコンを使わない人は、結構いらっしゃいます」と岡田先生。ペットのいる家庭では、エアコンで24時間温度管理をすることが、もはや常識である時代に突入している。

熱中症に要注意の5つの犬種とは

岡田先生のひびき動物病院で、熱中症と診断された3つの事例は、1)田舎に帰省する移動の車内で熱中症になった。2)キャンプに行っておそらく昼間に熱中症となり、帰宅途中に重症化してしまった。3)普段は室内飼育の犬が飼い主さんのランニングに付き合って熱中症になってしまった、という3つだった。

こうした実際に起きた事例を踏まえて、岡田先生は熱中症に要注意の犬について教えてくれた。まずは暑さが苦手で寒さに強い1)北国で作出された犬種(シベリアンハスキーやサモエドなど)や、2)熱を吸収しやすい毛色の黒い犬、3)子犬や高齢の犬、4)パグなど鼻の短い短頭種犬、5)脂肪で気道が狭くなってしまい体温調節がしにくくなっている肥満の犬、この5つに当てはまる犬を飼育している飼い主さんは、特に注意が必要だと、ペット保険会社の資料にもあると言う。また、最近はこれらの犬種とのMIX犬も熱中症になりやすい素因をもっていること、そして、熱中症はドッグランでの発生も多く、運動能力の高い子もなりやすいかもしれないと、岡田先生はコメントしている。

「もちろん、愛犬とのお散歩は日中の気温が下がった早朝か夜間が必須です。長距離の移動が必要な場合は、気温の低い時間をうまく利用してください。

今年の夏は犬を連れた屋外のアウトドアレジャーは、危険度が増していると思います。状況によって見直しも含めた検討が必要だと、私は思います。もし、かかりつけの先生に質問できる方は、その子に合った熱中症対策を聞いておくと安心です。

さらにお盆にかけて帰省も増えますが、移動中は常に、どこかのエアコンのある環境に逃げられるなど、何かしらの予防策を用意しておきましょう。出かけた先で、車内に愛犬を残すのは絶対NGです」と忠告している。

さらに、明らかに熱中症と思われる症状が見られたら、ともかく身体を冷やすこと。エアコンのある所に逃げる、身体に冷たい水をかけたり、外出先ではコンビニで購入できるロックアイスを買って身体にあて、扇風機などで温度を下げる。そして、水を飲ませ、数分経っても呼吸が落ち着かない場合は、すぐに動物病院へ行くことを勧めてくれた。

家庭ではエアコンでの温度調節の他、新鮮な水を飲ませて、脱水させないことも重要な熱中症予防策だ。暑い夏はまだまだ続く。今年もペットと元気に夏を乗り越えよう!

取材協力/岡田響さん(ひびき動物病院院長)
神奈川県横浜市磯子区洋光台6丁目2−17 南洋光ビル1F
電話:045-832-0390
http://www.hibiki-ah.com/

文/柿川鮎子

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