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緊急提言!猛暑からペットを守る熱中症対策

2024.08.18

部屋の中、夜間に熱中症になる犬や猫が増えている。夜間動物病院では熱中症で搬送される犬、特に老犬に重篤な状態の子が目立つと言う。私が勤務していた動物病院では8月以降、身体を冷やすため、ずぶぬれの状態の犬がたくさん搬送されてきた。ほとんどの犬は元気に走って家に帰って行ったが、残念な結果を迎えた子もいた。今回、改めて熱中症について、ひびき動物病院の院長岡田響先生に教えてもらおう。

ペットは気温25度を越したら熱中症に注意を

35度超えの猛暑の中、熱中症対策が必須だが、犬や猫は何度以上で熱中症になってしまうのだろう。岡田先生によると、「何度以上と限定するのは意外と難しい」と言う。

「人間が熱中症になりやすい気温は、日本スポーツ協会が熱中症予防運動指針を出していて、28度以上になると熱中症リスクが高まると言われています。だからといって、28度になったらすべての人が熱中症で倒れるわけでは無いことは、皆さんも理解されているでしょう。

同じようにペットも、『何度以上で熱中症になる』と飼い主さんに説明するのは、実際、ちょっと難しい面があります。熱中症の発生には、気温だけでなく、他の要因、例えば毛の長さとか、鼻の長さ、身体の脂肪の付き具合など、様々な要因で変わってくるからです」と岡田先生。

熱中症の発生と気象条件(温度のほか、湿度、風、日射・輻射など)の間には密接な関係があり、環境省の熱中症情報には、気温のみならず暑さ指数というのが使われている。

岡田先生はこの指数がペットの熱中症対策の参考になると教えてくれた。「暑さ指数で言えば、おおよその気温で25度以上から熱中症の発生が増えているため、たくさんの毛で覆われている犬や猫(他の動物も)でも、気温25度は注意すべき数字ではないかと思います」と25度を越えたら、熱中症対策を行うべきだと教えてくれた。

長期にわたる高温で熱中症以外の体調不良も

そうなると、昨今の外気温35度は熱中症に「注意」というより、「危険」なレベルだ。気象庁が発表している各地の気温によると、今年はすでに6月から25度を超しており、昨年よりも早くから厳しい暑さを体験していることになる。「実際のところ、条件がそろえば、涼しい日でも熱中症も起こりえます。そして、ぺットの場合は、汗をかかないので、一般的には、ヒトの熱中症が話題になる時には、ヒトよりも数倍なりやすい、と思っていただくほうが間違いがないです。

ヒトは汗を大量に出して、体表から気化熱で体温を下げることができます。犬猫などには汗をかく機能に類似する体温調整機能が少ないです。犬の場合は、体温を下げるのに呼吸が大きな役割をもち、鼻先が冷却装置の一部にもなっているので、鼻が短い子は冷却効率がとても悪いのです。

猫も呼吸で体温を下げる仕組みがあるので、鼻の短い子は同じようなことが言えます。もともと狩猟するのに持久戦よりも瞬発力メインな身体構造なので、そもそも身体に備わった冷却効率が、犬よりも悪い、と思ったほうがいいです」と教えてくれた。

特に今年のように、高い気温が一時的でなく長期間続くと、室内でいつも冷房の効いている部屋と、そうでない場所との激しい温度差を体感することになる。ペットも人間と同じように自律神経が乱れ、体温調節機能に狂いが出る場合がある。

また、長期間、クーラーの効いた低温の部屋にいることで、体温が下がり血流が悪化する。低体温により自律神経が乱れ、免疫力が落ちて、病気になりやすい身体になってしまうことも。「熱中症以外の夏の病気については、今回は触れませんが、ペットのことで気になる点があったら、何でも気軽に動物病院に相談して欲しいです」と、岡田先生は心配している。

熱中症は「どんな動物もハアハアする」は間違い

では、実際、どんな状態になったら飼い主さんが熱中症だと判断できるのか。岡田先生によると、犬の場合の典型例ではハアハア息が荒いのが続き、普段落ち着きそうなタイミングでもその状態が続くと、熱中症を疑うと言う。

「飼い主さんに限らず多くの人がペットの熱中症のイメージといえば、ハアハアしている状態を思い浮かべるでしょう。パンティングと呼ばれる行動ですが、でも、犬以外の動物、猫では本当に命にかかわる危険な状況にならないとハアハアしませんし、多分、うさぎやハムスターがハアハアしている姿を見たことがある人はほとんどいないでしょう。となると、熱中症のハアハアの状態はほとんどの場合、犬だけと考えられます。

逆に言えば、他の動物の場合は、口を開けてハアハアしているのは異常事態、という認識が必要になるかもしれません。ちょっと熱中症とは離れてしまいますが、ぜひこの機会に“ハアハアの呼吸は犬以外のペットの場合は危険”だと言うことを、頭の片隅に置いて欲しいと思います」(岡田先生)。

また、犬のパンティングが数分程度で収まらない場合は、すでに熱中症になってきているサインと考えて、適切に対応すべきともアドバイスしてくれた。

呼吸の状態以外では、多くの飼い主は体温の上昇に気づくと言う。ペットを抱いたり、触ったりした時、いつもより熱く感じたと訴える。「こうした初期の状態を見逃してしまうと、全身の内臓などが高温でやられてきて、急速に多臓器不全がはじまります。そのため、次の段階として、気分が悪くなり、吐き気や消化不良という症状が出ます」と岡田先生。

岡田先生はペットの中医学についても詳しく、熱中症も東洋医学的な観点から解説してくれた。「ちょっと参考になるのが、中医学的には、湿邪という考えがあって、梅雨時期など高温多湿な時期や環境は、身体に負担となって、体はおもだるく、胃腸障害が出やすいことも知られています。熱中症のはじまりが、胃腸障害である、ということがあります」と教えてくれた。

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