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エフピーウーマン・大竹のり子さんが指南する50代が資産管理で陥りがちな失敗

2024.08.18

Q:資産運用をするときの基本を教えてください

A:リスク回避のため「積立」「分散投資」が基本です。

――では、どのように資産運用をしたらいいのでしょうか?

大竹:初心者の場合、積極的にお金を増やしたいと思っているのでなければ、「積立」が一番とっつきやすいと思います。金額や商品を決めて設定をしてしまえば、あとは毎月、自動的に積立されていくので、手間もほとんどかかりません。あとは年に1回程度、運用がうまくいっているかを確認するぐらいで十分です。

例えば、月に5万円を積み立てていこうとした場合、リスクをあまり取りたくないのであれば1万~2万円を「定期預金」に、1万~1万5000円を「貯蓄型保険」に、残りを「投資信託」へ回します。このように、5万円全額をひとつの金融商品に投資するのではなく、複数の金融商品へ分散投資をするということも有効です。

なぜなら、それぞれの金融商品には特性があって、メリット、デメリットが異なるからです。

例えば、急にある程度のお金が必要になったとき、定期預金はすぐに解約できますが、貯蓄型保険の場合は、解約すると時期によっては大きく損をしてしまう場合があります。しかし、その一方で、保険には保障も付いていますので、万が一何かあったときに頼りになります。

このように、金融商品を分散することで、様々な状況に柔軟に対応することができます。

Q:資産運用を行う金融機関は、どうやって選んだらいいですか?

A:手軽さ、便利さを考えたら、ネット証券がもっともオススメです。

――では、資産運用をしようするとき、金融機関はどのような観点で選んだらいいのでしょうか? NISA制度では、1つの金融機関でしかNISAための口座を開くことができません。

大竹:そうなんですよね。「NISA」を扱う口座を開くことができるのは、1つの金融機関だけに限定されているんです。そのため、今後、NISAで資産運用を続けていくつもりでいるなら、どこの金融機関で口座を開設するかは重要な問題です。

金融商品と同じで、金融機関にもそれぞれ特徴や特性があって、メリット・デメリットがありますが、NISA制度を活用して資産運用をするなら証券会社に口座を開くのがいいと思います。

なぜなら銀行では株式投資ができません。証券会社は投資信託と株式投資のどちらも投資をすることができますし、取扱商品が銀行に比べて種類も数も多いんですよね。ですから、初心者の場合は、まずは証券会社に口座を開いて、投資信託の積立を始めるのがいいと思います。株式投資は自分でタイミングを判断して売り買いをしていかなければならないので、初心者には不向きな商品なんですよね。ですから、資産運用にある程度慣れてきてからチャレンジするのがよいと思います。

また、手軽さ、便利さを考えたら、証券会社の中でもネット証券がおすすめです。実店舗の証券会社より商品数が多種多彩で、実店舗より手数料も安く、24時間いつでも手続きができます。

――Web上での手続きが不安で、実店舗のある金融機関のほうが安心感のある人も多いようです。

大竹:人生100年を生きることを考えたら、50代でもこの先30~40年はありますよね。現在だってインターネットが使えたほうが、買い物やさまざまな手続きも絶対に便利じゃないですか。今後、社会の中でデジタル化が益々進むことを考えると、苦手だからと避けて通るだけではなく、少しずつでよいのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。そのほうが資産運用に限らず、生活全般が便利で楽しくなるのではないかと思います。

今後、便利なものが増えていくと思いますが、まずは‶いま始めることが大事〟です。

そうして少しでも始めてみると、自然と操作にも慣れ、知識も身についていくはずです。

Q:自分で判断して、自分で投資を実行することが不安です……

A:複数の情報源に当たる。信頼できるFPに相談するのも選択肢のひとつです

――最終的には「自分で判断して、自分で選ぶ」ことが必要なんですね。それにはさまざまな情報を自身で精査していかなければなりません。初心者がそれを見分けるのはなかなか難しい気がします。

大竹:病気になって医師や病院を選ぶとき、セカンド・オピニオンが重要だといわれていますが、金融機関や金融商品を選ぶときも、それと同じです。複数の情報源に当たり、自分の中の正解を導き出す作業が必要です。

例えば、3つの情報源に当たって、同じ回答であったなら、ある程度信じていいのではないかと思います。

――信頼できるFPさんに相談できたらいいのですが……

大竹:いまは、金融機関やFP自身が主催している無料の相談会が多数開催されていますが、無料の場合は、特定の金融商品の販売などの何らかの営業目的があると考えるのが自然です。もし相談に行かれるとしたら、そうした前提に立ったうえで客観的に判断する必要があります。

FP選びに迷ったなら、その人が何をメインに収入を得ているかという前提に立って、受け取った情報を考えてみると、おのずと精査できるのではないでしょうか。

あとは、相談者とFPの相性ですね。FPも人間ですので、さまざまな価値観の人がいます。ご自身の悩みや価値観がどれだけ伝わるかも重要だと思います。

――今回お話を伺って、老後資金の備え方がとても明確になりました。最後に、資産運用初心者のミドルシニアに向けてアドバイスをお願いします。

大竹:老後のために貯蓄はしているのに運用をしていない人に、運用をしていない理由を問うと、多くの方が「投資はリスクがあるので怖い」とおっしゃいます。しかし、一番のリスクは老後にお金が足りなくなって、不安にさいなまれることじゃないでしょうか。

私は、お金がなくなるリスクを避けられる‶いま〟投資をするほうが、本質的にはリスクがないと思います。50代、60代で手を打てることがあれば、ぜひトライしてほしいですね。

夫婦、シングルに関係なく、平均寿命から考えると、女性の多くは遅かれ早かれ老後シングルになる可能性があって、その視点から見れば、立場はみんないっしょです。いまからでも決して遅くありません。老後を楽しく過ごすために、それぞれのライフプランにマッチした老後への備えをぜひ始めてほしいですね。

取材・文/山津京子 撮影/小倉雄一郎(小学館)

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