今年の夏はラニーニャ現象の影響を受け、記録的な猛暑が続くことが予想されている。
夏は室内との気温差や睡眠不足により自律神経のバランスが乱れ、不調が起こりやすい季節だ。特に更年期世代は夏の不調に更年期症状が加わり、より辛い夏を迎える可能性が考えられる。
そこでクラシエは、夏場の更年期症状の実態を明らかにすることを目的に、更年期症状の有無を自覚している45歳~54歳(※1)の女性412人を対象とした「夏場の更年期に関する実態調査」を実施。夏の更年期症状を乗り越える方法と合わせて結果を紹介しよう。
※1 一般的に日本人女性の平均閉経年齢といわれる50歳を基準に前後5年を含む計10年間を更年期にあたる世代としている
更年期女性の83.9%が「夏」に更年期症状が気になると回答
今年の夏の時期に気になる心身の症状に対するお悩みについて尋ねたところ、更年期関連の症状(※2)について1つでも気になると回答した人は83.9%に上った。
この結果から、45~54歳の女性の多くが夏場に起きる更年期症状に不安を抱えていることがうかがえる。
※2 更年期関連の症状には次の症状を含む
肩や首筋のこり、めまい、動悸・息切れ、頭痛、耳鳴り、体力の低下・疲れやすい、冷え性、肌のしみ、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)、月経不順、イライラ、抑うつ気分、不眠・眠れない、不安感・恐怖感がある、怒りっぽい・不機嫌になる、夜中に目が覚める
季節ごとの更年期症状/夏場は「ホットフラッシュ」「めまい」の発生が多数
続いて、季節によって発生する更年期症状に違いがあるのかを探るため、「直近1年以内に感じた体の不調・お悩み」に対して、その不調がいつ発生したのかを尋ねた後、回答の中から、更年期関連の症状(※2)の回答率を季節ごとに集計した。
まず、夏場の更年期症状をみると、「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)」が20.4%と最も多い結果に。
「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)」は、1日における体感温度の急激な変化などによって引き起こされる自律神経の乱れから生じやすいと考えられる。
夏は通常でも汗をかきやすい時季のため、暑さによる発汗とホットフラッシュによる多汗が相まって不快感を覚える人も多いようだ。
次いで「めまい」(12.2%)、「体力の低下・疲れやすい」(8.8%)が挙げられており、ホットフラッシュと同様に自律神経の乱れなどが一因と考えられる“夏バテ”のような夏特有の不調事情がうかがえる結果となった。
次に、春夏秋冬の季節ごとに更年期症状を比較したところ、季節による差が見られる結果に。特に、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)は他の季節と比較しても、群を抜いて夏場に発生しやすいことがわかる。
一方、秋・冬にかけては「冷え症」が1位という結果になった。中でも、冬場の冷え症は2位のホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)に比べ30%以上多く発現しており、季節ごとの環境、特に気温の変化が更年期関連の症状に影響している様子がうかがえる。
また直近1年以内に感じた「体/心の不調・お悩み」が発生した時期によって、対処法を変えているか尋ねたところ、対処法を変えていると回答した人は各症状において平均約1割程度と低く、発生時期によって対処法を変えている人は非常に少ないということが分かった。
※「している」には「複数の対処法があり、一部は時期や季節によって使い分けている」と「時期や季節によって全く異なる対処法を使い分けている」を含む
調査概要
実施時期:2024年7月8日(月)~7月10日(水)
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国の45~54歳の女性412人(年代別の人口構成比に合わせて回収)
※本調査に先立って全国の10,000人に対して更年期症状の自覚の有無を問うスクリーニング調査を実施し、更年期症状の有無を自覚していると回答した1,236人を対象にアンケートを実施。そのうち、更年期にあたる世代45-54歳412人の回答を抽出し集計。
調査委託先:株式会社 H.M.マーケティングリサーチ
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある