半数の都市において70%以上の人が 「10年前と比べてよりエアコンが必要になった」と、とても感じている
地球温暖化の影響により、世界ではより多くの人が暑さを感じているのだろうか。また、それに伴いエアコンがどのくらい必要とされているのだろうか。
「10年前と比べて、あなたが住む都市は暑くなったと感じますか、または涼しくなったと感じますか」と聞いたところ、12都市中10都市で「とても暑くなった」と回答した人の割合が最も高い結果になった。その中でもバンコク(タイ)は87%と最も高く、次いで81%のニューデリー(インド)、78%のサンパウロ(ブラジル)となった。
また、「あなたは、10年前と比べてエアコンはより必要になったと感じますか」と聞いたところ、12都市中11都市で、「とても感じる」と回答した人の割合が最も高い結果となった。高い順に81%のサンパウロ、79%のバンコク、73%のリヤド(サウジアラビア)、72%のニューデリー、71%の上海(中国)、70%のラゴス(ナイジェリア)となり、特にこれらの都市においてエアコンの必要性が高まっているようだ。
■エアコンが果たしてきた役割と普及率
エアコンは多くの国で普及しているが、とくに暑い国々の経済発展にも大きく貢献してきた。たとえば、東南アジアで最も発展した国の一つであるシンガポール。シンガポール建国の父、故リー・クアンユー元首相は「この100年で最も影響力のある発明はエアコン。シンガポールの発展はエアコンなしにありえない」と語っている。暑すぎて仕事に集中できない環境の中、公務員が働くビルでいちはやくエアコンを導入し、人々の生産性を上げ、効率的な政府を作り上げたそうだ。
このように、エアコンは人々の暮らしに欠かせないものになっている一方で、気温が高くてもインフラ事情や所得水準などを背景にエアコンの普及がまだ進んでいない国や地域があるのも事実だ。IEAによると、インドでは5%、南アフリカでは6%、ブラジルでは16%と言われている。しかし、新興国の発展によって2050年までに世界のエアコンの稼働台数は約3倍に増加すると予測されており、今後、さらなる普及が見込まれている。
ラゴス(ナイジェリア)では、空気の汚れに悩む人が12都市の中で最も多く 「排気ガス・山火事などによる大気汚染」が上位
「あなたの生活において空気の質は重要ですか」と聞いたところ、「とても重要」と回答した人の割合が最も多かったのはラゴス(ナイジェリア)の95%となった。
サンパウロ(ブラジル)、リヤド(サウジアラビア)、バンコク(タイ)、イスタンブール(トルコ)、ニューデリー(インド)、ヒューストン(アメリカ)の5都市でも「とても重要」と回答した人の割合は70%以上となった。空気は目には見えないが、これらの都市では日頃から空気を意識している人が多いようだ。一方、東京は39%で、パリ(フランス)の31%に次いで低い結果となった。
「日々の生活で感じる空気に関する悩み※8」について聞いたところ、ほとんどの都市では、実感しやすい温度・湿度の悩みを挙げた人が多くいた。一方、ウイルスやニオイ、排気ガス等の「空気の汚れ」に関する悩みもある。
とりわけラゴスでは、温湿度よりも空気の汚れに悩んでいる人の割合が12都市の中で最も高く、「排気ガス・山火事などの大気汚染」が上位となった。ナイジェリアでは大気汚染関連の小児肺炎による死亡者数が世界で最も多い国とされ※9、空気は快適に生活するだけでなく、人々の命を守るためにも重要と言える。
※2 1年で最も気温が高い1カ月の間に、自宅のエアコン(冷房)で最も頻繁に設定する温度の平均値。選択肢の「18℃以下」は18℃、「30℃以上」は30℃として計算。「自動」設定している人は計算から除外。
※3 1年で最も気温が高い1か月の間に終日自宅で過ごすときの、エアコン(冷房)使用時間の平均値(1日あたり)。選択肢「1~2時間」を1.5時間、 「3~4時間」を3.5時間、「5~6時間」を5.5時間、「7~10時間」を8.5時間、「11~15時間」を13時間、「16~24時間未満」を19.5時間、「24時間」を24時間として計算。
※4 各月の平均最高気温(1992~2021年または2012~2021の平均値)のうち、最も値が高い月の数値。
Time and Dateの公表値を引用。
※5 各月の平均最低気温(1992~2021年または2012~2021の平均値)のうち、最も値が低い月の数値。
Time and Dateの公表値を引用。
※6 回答者に「エアコンを購入するときに重視するポイント」を1~3位まで挙げてもらい、1位(3ポイント)、2位(2ポイント)、3位(1ポイント)とウェイト値をつけて算出した加重平均で順位をつけたもの。
※7 ダイキン調べ
※8 回答者に「日々の生活で感じる空気の悩みごと」を1~3位まで挙げてもらい、1位(3ポイント)、2位(2ポイント)、3位(1ポイント)とウェイト値をつけて算出した加重平均で順位をつけたもの。
※9 UNICEF
<ダイキン 世界の空気感調査について>
ダイキンは日本に住む人々を対象に、“空気”に関する現代人の意識や課題を浮き彫りにし、日頃意識されにくい“空気”について多くの方々に興味と関心を持っていただくことを目的に、「現代人の空気感調査」を実施してきた。2002年にスタートし、これまでに28回の調査を通じて、空気に関する話題を提供してきた。創業100周年を迎えた現在、ダイキンの海外事業比率は80%を超えている。国境を越えてさらに多くの人々に“空気”や、快適な空気環境を整える“エアコン”に注目してもらうきっかけになるよう、調査対象をグローバルに広げて「ダイキン 世界の空気感調査」を実施した。
<調査対象都市の考え方>
エアコンは年間の平均気温や最高・最低気温など、その地域の気候や住宅様式等によって使われ方が大きく異なる。今回の調査では、気候や地理的なバランスも考慮し、調査対象都市を選定した。
<調査概要>
調査主体:ダイキン工業株式会社
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:各都市20代~60代の100名/自宅にエアコンを保有している人
対象都市とアンケート実施期間:
日本 東京都 / 2024年5月10日〜5月21日
中国 上海市 / 5月24日〜6月6日
アメリカ ヒューストン(ヒューストン都市圏)/ 5月24日〜6月6日
アメリカ ニューヨーク(ニューヨーク都市圏)/ 5月24日〜6月6日
インド ニューデリー(デリー首都直轄領)/ 5月24日〜5月30日
ブラジル サンパウロ(サンパウロ州)/ 5月24日〜5月29日
タイ バンコク(グレーターバンコク)/ 5月24日〜5月29日
フランス パリ(イルドフランス)/ 5月28日〜5月29日
スペイン マドリード(マドリード州)/ 5月24日〜5月29日
ナイジェリア ラゴス(ラゴス州)/ 5月24日〜5月29日
サウジアラビア リヤド(リヤド州)/ 5月31日~6月5日
トルコ イスタンブール(イスタンブール県)/ 5月30日~5月31日
出典元:ダイキン工業株式会社
構成/こじへい