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限定500台!MVアグスタがライダーの願望を具現化したスーパースポーツ「Superveloce 1000 Serie Oro」を発売

2024.08.16

MVアグスタは、500台限定となる夢に見た理想のモーターサイクル「Superveloce 1000 Serie Oro(スーパーヴェローチェ1000セリエオロ)」を発表した。

「ライダーのみなさまの願望を具現化したモーターサイクルを開発する」。MVアグスタの掲げるこの明確な目標から生まれたマシンが、Superveloce 1000 Serie Oro。研究し尽くされたスタイル、美しさを追求したデザイン、革新的な技術、圧倒的なパフォーマンスのすべてが合わさり、プロジェクト当初に定めた目標どおりのマシンを実現した。

デザインと人間工学

新作のSuperveloce 1000 Serie Oroは、わずか500台の限定生産となり、MVアグスタがサーキットで成し遂げてきた栄光の数々、どこまでも美しさを追求する情熱、常に進化を続ける最新技術が詰め込まれている。スタイル面では、Superveloceシリーズに共通する特徴的な要素として、MVアグスタの歴史に残るスポーツバイクをモチーフとした丸型ヘッドライトと、カーボンファイバーなどの高価な素材を駆使した流麗なボディラインを備えている。そして細部にまでこだわり抜いた設計により、形状、素材、性能の優れたバランスを実現している。

テクノロジーとスタイルが融合したSuperveloce 1000 Serie Oroは、まさに車輪の付いた彫刻作品といえる。デザイナーとエンジニアが持てる経験をすべて注ぎ込み、技術と美しさを妥協なく両立。特に、技術面でもスタイル面でも最も特徴的なのが、空力ウィングとなる。このパーツには、MVアグスタが新モデルで一新した設計・開発思想が色濃く反映されている。開発の際には、言うまでもなく重要な空気抵抗係数(Cx)だけでなく、ライディング時の操作性に大きく影響する垂直荷重(Cz)の最適化に注力することで、このバイクの傑出した最高速度と加速性能を活かすうえで欠かせない、優れた安定性を実現している。

フェアリングに搭載された空力ウィングは、デザインとして強い印象を与えるだけでなく、車体全体の空力設計の一環として、優れた効果を発揮。MVアグスタは、1972年のグランプリマシンに同様の空力学的デザインを採用していた。Superveloce 1000 Serie Oroの空力ウィングは、このマシンから着想を得ている。徹底的に実施した試験走行では、高速走行時にきわめて高い直進性と安定性を発揮し、さまざまな走行条件下で操作性と俊敏性が損なわれないことが実証された。

このSuperveloce 1000 Serie Oroの開発は、航空学的手法を応用した空流解析に基づいて進められた。最終設計では、高速走行時の優れた防風性能、全般的な快適性の向上、パフォーマンスの最適化、エンジン吸気の最適化、エンジンからの熱気の拡散による実用性の改善を実現している。先進の設計技術によって、下部フェアリングの突出しを抑えるとともに、ボディ側面に空力性能を高める開口部を設け、エアフローを改善している。

そしてSuperveloce 1000 Serie Oroの美しいボディラインを実現するために、カーボン素材が採用されている。鍛造カーボンとラミネートカーボンの2種類を組み合わせることで、さらに洗練されたデザインに仕上げている。ダッシュボードサポート、チェーンガード、フルフェアリング、さらに専用キットに含まれる部品など、全41箇所にカーボンファイバー製コンポーネントが使用されている。

印象的なホイールは、伝説的モデル「F4 750 Serie Oro」の星型ホイールを再解釈したもので、キャストホイールとスポークホイールを融合させた、過去と未来がクロスオーバーするスタイリッシュなデザインとなっている。エキゾーストもF4をオマージュし、アクラポビッチ社がSuperveloce 1000 Serie Oro専用に開発したチタン製4本出しエキゾーストを採用。特徴的な「オルガンパイプ」形状のエキゾーストは、このバイクならではの素晴らしいサウンドを奏でるようチューンされており、カーボン製のヒートシールドが装着されている。

随所に高価な素材が用いられているのも、Superveloce 1000 Serie Oroの特徴。たとえばシートには、最適な人間工学的デザインが施されているのはもちろん、高級素材の代名詞的存在である本革とアルカンターラを使用することで最高クラスの快適性を確保し、印象的なMVロゴをあしらっている。またタンク背面の本革製ベルトは、基部のレーザー加工済みプレートからタンクの背面を縦断し、「Superveloce 1000 Serie Oro」ロゴとシリアルナンバーが彫り込まれたパーツへとつながっている。

リアホイールハブには、ヘッドライトと同デザインのMVロゴが配されているが、これはモーターサイクル界では他に類を見ない意匠となる。ファスナーにはチタン製パーツが使用され、Superveloce 1000 Serie Oroのスタイルをさらに高めています。ボディカラーはMVアグスタのレースの歴史にちなみ、アゴシルバー、パールショックレッド、ゴールドチクリスティカの3色展開となる。

エンジンと電子制御系統

Superveloce 1000 Serie Oroは、13,000rpmで208PS/153 kW、11,000rpmで116.5Nmのトルクを発生する4気筒直列エンジンを搭載。MVアグスタ製4気筒エンジンならではの16本のチタン製ラジアルバルブに加え、鍛造チタン製コネクティングロッド、DLCコーディング済みカムを採用したことで、最高回転数は14,000rpmを達成している。さらにカウンターシャフトによって振動が最小限に抑えられており、最高出力でもスムーズな走り心地を実現している。

エンジン管理を担うのは、8個のインジェクター(下部に4個、上部に高噴射用4個)を制御するMVICS 2.1システム。スロットルボディは直径50mmとなる。

電子制御系統は、Superveloce 1000 Serie Oro専用に入念な調整が施されている。トラクションコントロールは解除可能であり、8段階の介入レベル(雨天用2段階、公道走行用3段階、サーキット用3段階)に対応。FLC(フロントリフトコントロール)も解除可能で、慣性プラットフォームで収集したデータを基に、ウィリーを防ぐのではなく猛烈な加速性能を最大限に活かせるリフト角度を維持することで、最適なフロントリフトを実現。このような運転支援システムは、ローンチコントロールと連携して作動する。

なおライディングモードは、プリセット3種(レイン、スポーツ、レース)と、ライダーがカスタマイズ可能な1種(カスタム)の計4種類。カスタムモードでは、スロットル感度、エンジンのトルク、吸気、リミッター、電子制御サスペンションなどのパラメーターをライダー自身で設定できる。

そしてMV EAS 4.0電子制御ギアボックスは、スロットル全開時もアップ/ダウンシフト操作をサポート。ライドバイワイヤのスロットルシステムはトルク管理アルゴリズムを搭載し、スロットルグリップを負方向に回転させることでクルーズコントロールを解除できる。この機能はSuperveloce 1000 Serie Oroにも標準装備されている。

またSuperveloce 1000 Serie Oroには、GPSモジュールが内蔵されておりMVアグスタの全シリーズで無料利用可能なMV Rideアプリと直接通信できる。このアプリに目的地を入力するだけで、5.5TFTカラーダッシュボードに分岐点を網羅した経路が表示される。行程記録機能を有効にすると、エンジン始動前からデータが収集され、走行後にアプリで全ルート、速度、使用ギア、バンク角、高度、運転時間を見返すことができる。さらに、当日のルートをアップロードし、他のMV Rideアプリ利用者と共有することも可能。

MV Rideアプリの一番の特徴は、バイクの応答をカスタマイズできるカスタムマップ機能となる。作成したカスタムマップには任意の名前を付けられ、他のユーザーと共有することもできる。たとえば、「トスカーナ」というマップを作成し他のライダーと共有して、コミュニティを作ることができる。

さらに、Superveloce 1000 Serie Oroには、モビサットモジュール搭載のサテライトアラームシステムが搭載されている。このシステムはGreenboxアプリで管理でき、購入1年目はサービスを無料で利用できる。

シャーシ

クロムモリブデン鋼製パイプのトレリスフレームにアルミニウム製プレートを組み付け、そこにアルミ合金製の片持ちスイングアームを取り付けている。ピンの高さを調整でき、調整可能な範囲は美しさにこだわった特注の飾り板で示されている。

Superveloce 1000 Serie Oroでは、オーリンズ製の電子制御サスペンションシステムを採用。フロントフォークは直径43mm径、トラベル120mmの倒立型であり、Tin表面仕上げ。コンプレッション、リバウンド、スプリングプリロード(手動調整にも対応)を電子的に調整可能となっている。

このサスペンションパッケージには、最適な安定性を得るため、オーリンズ製の電子制御式ステアリングダンパーが組み込まれている。ダンパーは自動介入と手動調整の両方に対応しており、ライダーの好みに合わせた最適なセットアップが可能。リアには、直径36mm、可動域120mmのオーリンズ製のモノショック式サスペンションシステムを採用。こちらも、プリロード、リバウンド、コンプレッションを電子的に調整できる。

そして、Superveloce 1000 Serie Oroの4気筒エンジンが生み出す驚くべきパワー、空力設計が実現した高速走行時の安定性、そして傑出した俊敏性に釣り合うよう、ブレーキシステムの品質にもこだわった。MVアグスタの信頼の厚いブレンボ社製部品から、320mmフロントディスク、アルミ製フランジ、30mmピストン搭載のStylemaラジアルキャリパー、ラジアルマスターシリンダーを採用。リアには220mmディスクを採用し、ブレンボ製の34mm径2ピストンキャリパーを搭載している。

このブレーキシステムの制動力を管理するのが、介入レベルを2段階に設定できるABSシステム。スポーツモード(ダッシュボードに「S」と表示)では、前後輪にABSが作用し、コーナーリング機能とRLM(リアホイールリフトアップ軽減機能)が有効になる。RLMは、急制動時にリアホイールと路面との接触を維持し、両軸にブレンボ製システムの制動力が最適にかかるよう調整する。レースモード(ダッシュボードに「R」と表示)では、前輪へのABSの介入が弱まり、後輪への介入は無効、コーナーリング機能も無効になる。RLMシステムは有効だが、制御範囲内でのリアホイールのリフトが可能になる。

タイヤについては、ピレリ製Diablo Supercorsa SP V4のSuperveloce 1000 Serie Oro専用バージョンを採用。特徴的な赤色の輪郭が、洗練された唯一無二の雰囲気を演出する。

関連情報:https://www.mvagusta.com/jp/ja/product/superveloce/1000-serie-oro

構成/土屋嘉久

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