色から考える【COLOR】
ソフトクリームを純白のウェディングドレスに見立てた。それだけでなく、「〝愛す〟る」と「〝アイ〟ス」の掛け言葉にした作品名も注目。田中さんは言葉でも見立てをしているので、作品名にも注目してみてほしい。
スケールを変える【SCALE】
作品名[コーンなバッグはいかがでしょう “And you can eat it tool”]
トウモロコシの粒をハンドバッグに見立てた。作品名を見て分かると思うが、田中さん流の言葉の見立てがポップコーンのように炸裂している。こちらの作品は、上の写真とは別に人間のスケールに合わせた撮影スペース(写真下)も用意されている。〝コーンなバッグ〟が商品化されてもおかしくない出来栄えなので、ぜひアイデアに困ったファッションデザイナーさんに見てほしい。
動きや変化から考える【MOTION】
作品名[これぐらいの技は朝飯前 Morning Exercise]
パリ五輪での体操男子団体の金メダル獲得の興奮も冷めやらなずの今、上の作品に注目。確かに、岡 慎之助選手の床運動は、朝飯前のように軽々と見えた。
生き物におきかえる【LIFE】
フロアの中心にあるのは[おすしが ふくを かいにきた Sushi Came to Buy Some Costume]なる作品のお寿司を擬人化したキャラクター。マグロのネタを着たお寿司が、サーモンやエビなどに着替える……という設定は実にユニーク。絵本にもなっているので、ぜひ一読を!
世界共通のことから考える【WORLD】
ロコモコをビーチに見立てた作品。こちらは作品集『MINIATURE TRIP AROUND THE WORLD』(小学館)の表紙を飾った作品。手の動きで虹や花を、波の動きなどを表現するのがフラダンスだが、それは田中さんの〝見立て〟と同じ。ぜひ作品集を一読した方には見てほしい。
いかがだろう。どうしたら、こんなアイデアが浮かんでくるのだろう? と興味が湧いてくるのではないだろうか。ネタバレになるので田中さんのアイデアの組み立て方は記さないが、会場に行けばば、ロジカルな解説とともに作品を楽しめる。日頃、アイデアに煮詰まっているビジネスパーソンはぜひ、会場を訪れてほしい。
「田中達也展 みたてのくみたてMINIATURE LIFE MITATE MIND」
会期:2024年8月1日(木)→8月28日(水)※8月21日(水)は休業日
会場:日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
ご入場時間:午前10時30分~午後7時(午後7時30分閉場)
※ 最終日8月28日(水)は午後5時30分まで(午後6時閉場)
土曜、日曜、祝日などは開店から午後5時頃までは混雑が予想されます。
比較的、来場者が少なくなる夕方のご来場をお薦めいたします。
主 催:NHK財団
企画制作:株式会社 MINIATURE LIFE、株式会社 CoCo
取材・文/寺田剛治 撮影/黒石あみ (C)️TASUYA TANAKA