日本列島はいつ大きな地震に見舞われても不思議ではないと言われている。直近、2024年8月8日に日向灘で震度6弱、その翌日の8月7日に神奈川県西部で震度5弱の地震が発生している。そのせいだろうか、防災用品やミネラルウォーターが飛ぶように売れ、あるホームセンターでは家具を固定する突っ張り棒などが売り切れ、あるスーパーマーケットではミネラルウォーターが1家族12本までの購入制限がつくようになっているという(在庫は十分にあり、くれぐれも冷静に)。
つまり、どこかで大きな地震が起きてから対策するのでは遅く、日ごろから災害に備えた備蓄、家具の固定などを行い、避難方法、家族との連絡方法などを周知徹底していなければならないのである。
3.11東日本大震災で被災したわが家では、以来、災害に備えた準備を着々と行っているので、その中の一例を紹介したい。
ミネラルウォーターの備蓄は2Lと500mlを併用したい
まず、災害時に命をつなぐ重要な備品として「水」がある。断水などで水道が使えなくなれば、ミネラルウォーターの備蓄が必要になる。その量は一人1日3Lと言われているが、わが家が検討したのは、2Lのペットボトルか、500mlのペットボトルで用意するか、であった。そのひとつの答えが、2Lと500mlの両方が必要・・・ということになる。理由はこうだ。断水時にコップを洗うことはできない。口をつけたコップを洗わずに使い続ければ食中毒の心配もある。また、暑い時期に停電していて冷蔵庫が使えないとすれば、使いかけのペットボトルを、衛生面を考え冷やすこともできない。
そこでわが家では、飲み水として、すぐに飲み切れる500mlのミネラルウォーターを家族1人あたり1日3L分×1週間分を用意。さらに、歯磨きもままならない状況下で、ペットボトルを口につけて飲むのはマズいと考え、紙コップに移し替えて飲むことを想定している(2Lのペットボトルだとしても)。
断水時の歯磨きにはマウスウォッシュが役立つ
歯磨きの話が出てきたところで補足すると、断水時にはマウスウォッシュで代用することも考えているが、ミネラルウォーターと紙コップがあれば、いつもの歯磨き習慣を継続することも可能になる。
災害時の食事にはカセットコンロとラップが役立つ
一方、2Lのミネラルウォーターのペットボトルの備蓄は飲料水としても利用できるわけだが、ローリングストックしている期限切れのミネラルウォーターをパウチ食品の暖めやカップ麺のお湯ために使うのも効率的だ。
パウチ食品の暖めやカップ麺のお湯を沸かすには、電気やガスが止まった状況ではカセットコンロが役立つ。わが家では室内用の一般的なカセットコンロと、屋外でも使える風防付きの2台を用意。もちろん、ガスボンベのストックも不可欠だ。
カップ麺の残り汁は凝固剤で処理。残り汁の出ないカップ食品もお薦め
非常用の食材としては、カップ麺がまず思い浮かぶが、わが家では賞味期限の長いレトルト食品が中心。カレー、シチューなどがあり、約1年は保存できる。カレーなどのレトルト食品をお皿に移して食べる際は、お皿を洗わずに済むように、ラップを敷くのは災害時の常識だろう。スプーンにもラップを巻けば、食べ終わった後、これまた洗わずに済む。なお、カップ麺の余った汁の処理も、排水ができない場合、やっかい。そこで100均でも売っている残り汁の凝固剤が役立つ。凝固後は容器ごと、燃えるゴミとして捨てることができるのだ(災害時にはゴミとして保管)。
ちなみにわが家ではカップ麺を用意しているものの、残り汁の出ない!?カップ食品として、例えばクノールのスープパスタシリーズをストックしている。スープに具が入っているタイプだから、ミネストローネがそうであるように、飲み干す(食べ尽くす)のが基本。残り汁の出ない非常食として重宝するはずである。
災害時の非常用トイレは処理後の臭い対策あるアイテムを使いたい
断水でトイレが使えなくなることも、災害時では深刻な問題となる。そこでトイレの便座に設置する非常用トイレの用意だ。わが家が準備しているのは、愛犬のお散歩でも使っている「うんちが臭わない袋」でも定評あるBOSSの「非常用トイレ50回分4点セット」である。便器のカバーを上げ、便器に青い便座カバーをセットし、便座のカバーを戻し、黒い汚物袋をかぶせて使う2重構造で、排泄は50回分ある吸水ポリマーの凝固剤を入れて行うもので、最後にBOSS自慢の付属の白い「臭わない袋BOSS」に汚物袋を入れ、「臭わない袋BOSS」の口をねじってしっかり結ぶ、というもの。ゴミ処理がままならない状況下では、臭いの問題も考慮すべきだと考える。
トイレ周りでは、トイレットペーパーの備蓄、手洗いが不可能な事態に備えたアルコール除菌ウェットティッシュ、アルコール消毒剤などのストックも必要となる。