債券投資とは
債券投資とは、投資家が政府や企業にお金を貸す代わりに利子(クーポン)や償還額(債券の返済)を受け取る金融取引のことを指します。あくまでも債券投資はお金を貸している状態であり、これが会社の所有権の一部を持つ株式投資とは異なる投資手法といえます。
そこで今回は「知ってるようで知らない米国債券投資」として、米国債の仕組みや種類、ポートフォリオへの組み入れ方について解説してきます。
米国債券と仕組み
米国債は、米国政府が発行して保証する負債証券の一種であり、投資家にとっては米国株と同じように人気の投資先です。なぜなら米国債は、世界最大の経済大国である米国政府が発行するため信用力が高く、投資期間に応じてさまざまな種類の米国債を選ぶことができるため、安定したリターンを期待できます。
米国債の利回りとは、満期まで債券を保有した場合に得られることが予想される年間リターンのことを指します。米国債は流動性が高く、リスクが低い投資先として多くの投資家に人気があります。特に安全な投資商品を求める方には、米国債は優れた選択肢といえるでしょう。
このため、多くの国々が外貨準備として米国債を大量に保有しています。
とはいえ個人投資家が米国債を購入する準備として、その種類や仕組み、さらにメリットとデメリットをしっかり理解しておくことが重要です。
米国債のメリット
米国債の最も大きなメリットの一つは返済のリスクが極めて低いことです。また米国債の金利には連邦所得税が課せられますが、州税や地方税は免除されるという税制面での優遇措置もあります。さらに流動性が高いため、投資家はいつでも株式市場で売買することが可能です。
米国債のデメリット
一方で、米国債にはデメリットもあります。その一つが、他のリスク資産に比べて利回りが低いことです。またインフレリスクや金利リスクも考慮しなければなりません。特にインフレが進行すると、米国債の利率がそれに追いつかないことがあります。そのため、投資家はインフレを考慮に入れた戦略を立てる必要があるのです。
米国債券価格と金利は逆相関関係
米国債の価格と金利の関係は逆相関にあります。具体的には、金利が上昇すると米国債の価格は下がり、逆に金利が下がると米国債の価格は上昇します。
この関係が生じる理由は、既存の債券が発行された時点の金利で固定されたクーポン(利息)を支払うからです。たとえば、金利が上昇した場合、新たに発行される債券はより高い利回りを提供するため、既存の低利回りの債券は魅力が減少し、価格が下がります。
逆に金利が下がると、既存の高利回りの債券がより価値を持つため、価格が上がるのです。
この逆相関関係は、投資家が債券投資を行う際に非常に重要なポイントです。
特に金利変動リスクを管理するためには、保有する債券の期間や金利の動向をしっかりと考慮する必要があるでしょう。