最大の懸念事項は現地の嗜好に合わせた決済手段への対応
2024年8月8日、企業向け経済インフラ・プラットフォームであるStripeは、世界各国の企業が顧客が希望する現地通貨での決済を可能とするAdaptive Pricing (自動通貨換算) の提供を開始した。
2023年にStripe が行ったデジタル貿易調査によると、79%の日本企業が「2025 年までに新たな国への販売を計画」しており 、全世界平均の66%と比較しても高く、国外への進出意向の高さが推察できる。
その際に最も懸念されるのは、現地の嗜好に合わせた決済手段への対応だということもわかった。
Adaptive Pricing (自動通貨換算) は、先行して導入された北米や英国に加え、日本、オーストラリア、インド、香港、マレーシア、シンガポール、タイなどのアジア太平洋地域をはじめ、欧州諸国やメキシコ、ブラジル、アラブ首長国連邦などの国や地域で、世界150か国以上の顧客に対して、現地通貨での価格提示を可能にするものだ。
また、顧客が自国通貨や自国に最も適した決済方法を活用できるようにすることで、現地独自の決済方法の利用を増やすことも可能だ。
Stripeが行なった事前テストでは、購入時に通貨の選択肢が与えられた場合、90% の顧客が「現地通貨で購買を選択」していることがわかっている。
■Adaptive Pricing (自動通貨換算) を利用した企業の海外収益は平均 17.8%増加
ストライプジャパン株式会社の代表取締役であるダニエル・へフェルナン氏は、今回のサービスローンチについて次のように述べている。
「世界の消費者動向として顕著なのは、オンラインを介してますます世界中から商品を購入する傾向にあることです。実際、消費者の 59% が国境を越えたデジタルサービスを利用した購入に前向きであるという調査結果も出ています。
これは、決済体験を現地市場に合わせてパーソナライズおよびローカライズできる企業が、より大きな機会を享受できることを意味します。事実、Adaptive Pricing (自動通貨換算) を利用した企業の海外収益は平均 17.8% 増加したことが確認されており、ローカライズされた顧客体験を提供することで創出される価値が実証されています」
Stripe Checkout または Stripe Payment Links を活用している Stripe ユーザーは、ダッシュボード上でワンクリックするだけで、Adaptive Pricing (自動通貨換算) を有効にできる。
詳細はこちらから:https://docs.stripe.com/payments/checkout/adaptive-pricing
<新規導入対象国・地域>
日本、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、香港、タイ、インド、マレーシア、スイス、スウェーデン、ノルウェー、チェコ、ルーマニア、デンマーク、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、リヒテンシュタイン、メキシコ、ブラジル、UAE
<新規対象現地通貨>
フィリピン、台湾、イスラエル、ニュージーランド、タイ、トルコ、南アフリカ、コロンビア、チリ、コスタリカ、ドミニカ共和国、マレーシア、サウジアラビア、ペルー
構成/清水眞希