OPPOは、コンピューターグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議&展覧会「SIGGRAPH」において、最先端のAI研究論文をいくつか発表したほか、強力な生成AI機能を備えた最新のAIスマートフォン「Find X7 Ultra」と「Reno12 Pro」を紹介した。
浙江大学との共同論文を初めて公開!
■モバイルプラットフォーム向けのリアルタイムレンダリング超解像技術「Mob-FGSR」を浙江大学と共同開発
OPPOは、AI分野における産業、学術、研究の深い統合を積極的に推進している。今年のSIGGRAPH 2024においては、浙江大学との共同論文を初めて公開し、モバイルAIにおける最先端の研究成果を学術コミュニティと共有した。
OPPOと浙江大学が共同開発した「Mob-FGSR」は、モバイルプラットフォーム向けのリアルタイムレンダリング超解像技術であり、モバイル超解像、フレーム内挿および外挿の分野で新しい業界ベンチマークを設定することを目指している。
スプラッティングによるモーションベクトルの再構築を行ない、高性能GPUや光流推定ハードウェアを必要とせず、精密なピクセルレベルのモーション予測と効率的な内挿および外挿フレーム生成を可能にする。これにより、ハードウェア要件と処理時間が大幅に削減される。
現在、OPPOはSnapdragon 8 Gen 3プロセッサ上で高速な720Pおよび1080Pフレーム生成と超解像処理を達成。Mob-FGSR技術は、OPPOスマートフォンにおけるゲーム体験を革命的に変えることが期待されている。
また、産学連携のもうひとつの重要な成果として、仮想現実、拡張現実、モバイルゲーム、ソーシャルメディアに広範な応用を持つ「Portrait3D」が紹介された。この技術により、ユーザーはリアルで没入感のあるバーチャルアバターを作成でき、テキスト記述に基づいてユニークなキャラクターモデルを生成することも可能になる。
さらに、SIGGRAPH 2024では、OPPOのハードウェアラボおよびAIセンターからの画期的な論文も紹介された。これらは、3Dデジタルヒューマンおよび3Dレンダリング再構築に関するもので、「UltrAvatar」技術は、単一の画像やテキストからリアルな特徴を持つ3Dバーチャルヒューマンを生成することができる。3Dレンダリングの分野では、「Spacetime Gaussian Feature Splatting(時空間ガウシアン特徴スプラッティング)」技術が時空間ガウシアンを用いて効率的なマルチフレーム特徴の融合を行ない、8K 60FPSの高忠実度リアルタイムレンダリングをサポートする。
■強力な生成AI機能を備えた最新AIスマートフォン「Find X7 Ultra」と「Reno12 Pro」
SIGGRAPH 2024において、同社は最新の最先端技術を発表するだけでなく、OPPOのAIスマートフォン「Find X7 Ultra」と「Reno12 Pro」も紹介した。
展示会では、世界的に評価されているOPPOの「AI Eraser」機能が参加者や学者から大きな注目を浴びた。この技術は、OPPO独自の先進的なAI認識および画像生成技術に基づいており、ユーザーがワンクリックで気になる部分を消去し、そのスペースを埋めることができるというものだ。
AI Eraser以外にも、OPPOは「AI Toolbox」と「AI Studio」機能をReno12シリーズで初めて紹介した。AI Toolboxは、AI Summary、AI Writer、AI Speakの3つの主要機能を統合し、面倒な作業をより簡単かつ迅速に行なえるように設計されている。AI Studioは、Reno12シリーズの強力なAI機能を活用して、ユーザーが簡単に、スタジオ品質のポートレートをクリエイティブで多様な背景とともに作成できるようにする。
さらに、OPPOは、コンピューティング&グラフィックス研究所が開発した画期的な技術をいくつか紹介した。これには、最新のホログラフィック気象レンダリングエンジン、先進的なモバイルレイトレーシング、Qualcommとの協力の下でSnapdragon 8 Gen 3プロセッサに実装されたグローバルイルミネーション技術、折りたたみデバイス向けの初のシミュレートレイトレーシング効果壁紙、およびReno12シリーズで初めて紹介された動的な水波効果壁紙が含まれる。
なお、2024年6月、OPPOはすべてのスマートフォン製品ラインに生成AI機能を導入する業界初のブランドとして、AIスマートフォンをすべての人にアクセス可能にすることを公式に発表。また、OPPOは、年間約5000万ユーザーのスマートフォンに生成AI機能を装備することを目指している。
構成/立原尚子