消防庁の発表によると、7月29日~8月4日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、12,272人だったそうだ。ついに10000人を超え、多くの人が熱中症で体調不良を起こしていることがわかる。
暑い日が要注意だということはわかるが、いったいどういう人が熱中症になりやすいのだろうか。米盛病院救急調整室教育部長で、救急専門医として多くの熱中症患者を診てきた川原加苗先生に話をうかがった。
熱中症になりやすい人とは?
■(1)子どもと高齢者
熱中症は誰でも起こりうる症状だ。暑い日に炎天下で水分も取らずに活動をしていたら、多くの人が体調不良を訴えるだろう。ただ、中でも特に注意をすべき年代の人がいるという。
「小児と高齢者はリスクが高いです。小児の場合は、まだ成長過程だというところがポイントです。人間の体は年齢を重ねていく中で、汗を出す機能、そして体の表面の断熱作用などが発達していきます。しかし生理機能が発達していない子どもだと、これらの機能が未発達であるため、熱中症になりやすい。
そして高齢者の場合は、体温の調節機能が低下していきます。また、暑い・寒いといった感覚の機能も低下します。感覚が低下することにより〝暑くてのどが渇いた。いま、水分が必要だ〟という行動に結びつかないのです」
体内の水分量も年代によって違ってくるという。私たちの体の50%以上が水でできており、赤ちゃんの時は約80%、成人男性は約60%、成人女性は約55%で、更に年齢を重ねれば重ねるほど、少しずつ減ってくるそうだ。水分量が1%減るだけで体に何らかのサインが出始めるため、高齢の人ほど脱水によるダメージが大きいと言えそうだ。
■(2)お酒をよく飲む人
「とはいえ、働き盛りだから大丈夫だというわけでもありません。例えばお酒をよく飲まれる方は要注意です。お酒を飲むとアルコールの利尿作用により尿量が増えます。そのため脱水に繋がりやすいのです。
■(3)寝不足な人
そして、寝不足も熱中症の大きなリスクです。寝不足になると自律神経の働きが鈍ります。自律神経というのは私たちの体温をコントロールしてくれる機能なので、低下すると体温調節がうまくできなくなります」
熱中症は高温多湿の環境下で、発汗による体温調節などがうまく働かなくなると、体内に熱がこもってしまい、体のいろいろな機能に障害が生じる病気だ。自分自身の体温の調節機能が乱れていては、より外部からの暑さの影響を強く受けかねない。
■(4)肥満体質の人
「肥満体質の人も要注意です。太りすぎている人は、基礎代謝量が大きくなりがち。熱産生が大きいため、汗をたくさんかいています。つまり、脱水になりやすいといえます。さらに言うと脂肪は熱をため込みやすい性質があります。汗をかいて熱を発散しているように見えて、実は放熱しきれていない可能性があります」
暑い日はまだまだ続きそうだ。リスクが高い人ほど、熱中症対策を徹底して行ない、夏を乗り越えてもらいたい。
取材・文/田村菜津季
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