2023年は気象庁が統計を取り始めてから125年の中で最も暑い夏になった。その2023年を上回る猛暑が予測される今夏は、これまで以上に熱中症への警戒を強めたほうがよさそうだ。
熱中症対策といえば水分補給が叫ばれるが、熱中症時に飲んではいけない飲み物について、米盛病院救急調整室教育部長で、救急専門医として多くの熱中症患者を診てきた川原加苗先生に教えてもらおう。
熱中症が疑われる時にカフェインやアルコールは厳禁
熱中症が疑われる場合、エアコンが効いている室内や風通しのよい日陰など涼しい場所に移動すること、そして衣服をゆるめ体を冷やすこと、あとは水分補給を行なうことが推奨される。熱中症と脱水は密接な関係にあり、重症化させないためにも水分補給は欠かせないが、水分ならば何でもいいわけではない。
「熱中症が疑われる場合において、お茶やコーヒーといったカフェインが入っている飲み物はNGです。カフェインには利尿作用があるため、尿として水分がどんどん体外に出てしまいます。せっかく水分を補給しても、水分が出ていくことを促してしまうのです。また、アルコールも利尿作用があるので厳禁です。
多くのご家庭にありそうな牛乳ですが、牛乳は推奨できません。牛乳は体温を上げる作用があるため、発汗を促してしまいます」
熱中症の時に選ぶべき飲み物とは?
では、熱中症が疑われる場合、どういうものを選べばいいのだろうか。
「経口補水液がおすすめです。熱中症症状がある場合の水分補給として医学的に推奨されています。経口補水液が優れている部分はナトリウムやカリウムがバランスよく配合されていることです。このバランスは、体内の水分のバランスに近いので、スムーズに体に吸収されます」
人間が体内に水分を保持できるのはナトリウム(塩分)の水分をため込むという作用のおかげだ。そのため、脱水時に水だけを飲んでいても水分を体内に保持できず、飲んだ分が排出されかねないのだ。
「経口補水液が手に入らないようでしたら、冷たいお味噌汁なんかもおすすめです。塩分と水分が一緒にとれます。ただ、熱いお味噌汁にしてしまうと体が熱くなってしまうので、発汗作用が強くなり逆効果になるので気をつけてください」
めまいや立ちくらみ、大量の汗などの症状が出てきたら、速やかに応急処置を行い、重症化させないようにしたい。
取材・文/田村菜津季
熱中症対策にはコレ!DIME最新号の特別付録は「スマホホルダー付き3WAYハンディ扇風機」
[1]スマホホルダーにスマホを装着して通勤や休憩時に!
[2]机などに置いても使える!
[3]ストラップをつければ首掛けも!
発売中!特別価格1450円(税込み)
最新のDIME9・10月合併号の特集は「推し活」&「情報収集力」!
<DIME Special1>
お笑い/YouTuber/アニメ/アイドル/ゲーム/マンガ
すべてのヒットは“推し”から生まれる!
推し活☆経済学
<DIME Special2>
フェイクニュース、陰謀論に振り回されないための必須スキル
AI時代の情報収集力