7月29日の栃木県佐野市では41℃に到達し、全国6か所で40℃超えを観測した。40℃越えの猛暑日が当たり前のように毎年やってくるようになり、暑さが猛威を振るっている。
この夏も油断をすると熱中症になり最悪死にかねない。自分の体調を観察し、悪化させないように対策は必須だ。今回は、米盛病院救急調整室教育部長で、救急専門医として多くの熱中症患者を診てきた川原加苗先生に熱中症のサインについて話を聞いた。
脱水のサインを見逃さないことがポイント
私たちの体温は一定の温度で保たれている。しかし、高温多湿の環境下で、発汗による体温調節などがうまく働かなくなると、体内に熱がこもってしまい、体のいろいろな機能に障害が生じ始め症状が出る。これを熱中症といい、軽度であればめまいや立ちくらみといった症状だが、重度になると意識を失い死に至る。できるだけ早く体の状態の変化に気づき対処することが肝要だ。
■チェック1:尿の色
「ポイントとなるのは体が脱水気味かどうかというところです。脱水のサインとして日頃から確認してほしいのは、尿の色です。通常に比べて色が濃ければ体の水分量が減っているため、まだ熱中症になっていなくとも、急ぎ水分補給を行なってください」
汗をかくためには体内の水分が必要だ。そして私たちの体は汗をかくことで体温を下げることができる。しかし、水分不足が続くと熱が放散できず、体内に熱がこもってしまうのだ。
■チェック2:手の甲
「熱中症になったり、脱水症状が進行したりしてくると、手にもサインがでます。1つは、甲の皮膚、もう1つが爪です。甲の皮膚を摘まんで手を放してください。健康な人はすぐに戻ります。しかし、脱水気味の人は2秒以上かかり、ゆっくり戻っていきます。人体の組織として皮膚の隅々まで水分が届く状態ではないということです。日常的に摘まんでみて、ちょっといつもと反応が違うなと感じたら、熱中症が疑われるサインと言えるでしょう」
■チェック3:爪
日常的に摘まんでみて、いつもと反応が違うなと感じたら、熱中症が疑われるサインになるという。では、もうひとつの爪のサインとはいったいどういうふうに確認すればいいのだろうか。
「爪をぎゅっと押さえるとすぐに白くなり、それを外すとふわあっと血流が流れ、赤味が戻ってきます。健康な人ならば、外してからだいたい1~2秒くらいで戻ります。しかし脱水気味の人は白いまま戻りません。この方法はCRT(毛細血管再充満時間)といい、体の隅々までいきわたるべき血流がスムーズかどうかを見る指標に使います。脱水だけではなく、事故などで大出血をした重症患者などにも行ないます」
もし白い状態がなかなか戻らない場合、相当な脱水状態になっていると考えられる。経口補水液を飲むなど、急ぎ対応をしたほうがよさそうだ。
取材・文/田村菜津季
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