デジタル決済と一口に言っても、クレジットカードやQRコード、モバイルアプリなど、その手段は様々だ。では現在、オンラインと店舗、それぞれで最も使われている決済手段はいったい何か?
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.はこのほど、クレジットカードやQRコード、モバイルアプリなどを含む電子決済の実態と課題を明らかにすることを目的とした「デジタル決済に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
この調査は、過去12ヵ月間に3回以上オンラインショッピングを利用した、18歳~64歳までの日本の消費者約1,000人を対象に行ったものだ。
オンライン、店舗ともにクレジットカードの使用率は50代で最も高く、20代の若年層ではモバイルアプリやQRコードが人気に
オンラインショッピングで最も頻繁に利用している決済方法を聞いたところ、クレジットカード(71%)、Amazonなどのスマートフォンで注文や支払いができるモバイルアプリ(30%)、銀行振込または代金引換といった現金利用(27%)の順で回答が寄せられ、クレジットカードの利用が圧倒的に多く、2位のモバイルアプリを引き離す結果になった。
理由としては、クレジットカードと比較すると、モバイルアプリが新しい決済方法である点や、対応店舗数が限られていることが影響していると考えられる。一方で、年代別にクレジットカードの使用率を見ると50代が最も高く(80%)、モバイルアプリの使用率は20代の若年層(44%)や30代(38%)で顕著に高いことがわかった。
店舗で最も頻繁に利用されている決済方法はクレジットカード(54%)、QRコード(49%)、現金(47%)の順となり、クレジットカードが最も普及しているものの、新しい決済方法のひとつとしてQRコードも広く利用されていることが明らかになった。年代別のクレジットカード使用率は、60代(58%)と50代(63%)で高い傾向にあり、一方でQRコード使用率は、20代(58%)と30代(59%)で高いことがわかった。
オンラインと店舗での決済方法を比較すると、その両方の購買機会においてクレジットカードが最も頻繁に利用されているものの、一方で若年層ではモバイルアプリやQRコードでの支払いも普及するなど、支払い方法が多様化している実態がうかがえる。なお、QR コードを利用している場所としては、コンビニエンスストア(78%)、食料品店やスーパーマーケット(63%)、レストラン(45%)が多く挙げられ、日常の中でも少額で頻度の高い支払い時に好まれて利用されていることがわかった。
モバイルウォレットの未利用は約70%、タッチ決済の利用は拡大中
新たな支払い方法として、QRコードやモバイルアプリの台頭が見られる中、モバイルウォレット(Apple Pay、Google Pay、QUICPayなど)やタッチ決済の利用は堅調に拡大中であることが明らかとなった。現時点では、このような支払い方法を利用していない回答者も多くみられるが、今後更なる拡大に向けて、利用方法や利用可能な場所などの情報提供や利便性の向上といった取り組みが求められている。
モバイルウォレットを使用したことがない回答者は調査対象者の約70%(オンライン71%、店舗70%)にのぼり、その理由として、「この決済方法を導入していない(35%)」、「使い方がわからない(25%)」、「利用可能な場所がわからない(17%)」との回答が寄せられた。モバイルウォレットの未利用率は特に高齢の消費者で高い傾向にあり、店舗での未使用率において、60代(79%)は20代(62%)より約1.3倍高いことがわかった。
<調査概要>
調査名: デジタル決済に関する実態調査2023
調査期間:2023年11月14日~ 2023年11月19日
調査手法:オンライン調査
調査機関:Teneo Strategy LLC
実施対象者:過去12ヵ月間に3回以上オンラインショッピングを利用した日本の消費者、18歳~64歳の成人1,009人
出典:アメリカン・エキスプレス
構成/こじへい