炎症や感染を防ぎ、ニオイを軽減。介護者にも介護を受ける側にも負担減のVIO脱毛
ここで改めて「介護脱毛」をするメリットについて教えてもらった。
■陰部の炎症や感染症を防ぐ
「介助時にデリケートゾーンをきれいに拭き取ったつもりでも陰毛や、皮膚に排泄物が残りがちです。脱毛することで排泄のケアがしやすくなり、炎症や感染症の予防にもつながります」(赤塚正洋医師)
■オムツ交換時のニオイを軽減
「陰毛がある状態でオムツをしていると、菌が増殖し、ニオイがきつくなり介護の負担も大きくなると聞きます」(赤塚正洋医師)
■介護者の清拭が楽に
介護者はしっかりと局部の状態を確認し、陰毛に排泄物がこびりついていれば取り除かなければいけません。陰毛がなければ確認も楽にできますし、またそのとき強くこすることでの皮膚トラブルの発生を軽減することもできます」(赤塚正洋医師)
「介護脱毛」のニーズが高まった理由として、このような日本人特有「思いやり」が背景としてあることから、「介護脱毛」は「思いやり脱毛」とも呼ばれているそうだ。
生活のクオリティを上げるために。最後まで自分らしく生きるために。自分のために選ぶ「介護脱毛」
「実際に「介護脱毛」をした男性の患者さまからは、「介護者を思って始めた介護脱毛だけど、いざ脱毛を終えてみると自分自身のためにやってよかった」という声も多く挙がっています。」(赤塚正洋医師)
理由としては排泄時の拭き取りが楽になったことや、体毛に残る排泄物による匂いや炎症をケアできること、床に体毛が落ちることがなくなったことなど。
また介護時のデリケートゾーンのケアにおいては、介護者の負担もさることながら、介護を受ける方にも精神的な負担がかかることがあると聞く。恥ずかしさや、介護者に申し訳ないという気持ちが強くなるからだ。
そうなった時でも、ケアが素早く終わり、介護者にも負担が少なければ受ける側の心のダメージも少なくて済むかもしれない。
「以前は相手を思っての「介護脱毛」でしたが、今では自分のために「介護脱毛」を選択する男性が増えているように思います」(赤塚正洋医師)
人生100年時代のいま、そうした状況を見据えて「長いシニア期も快適に衛生的に過ごしたい」、「最後まで自分らしくいたい」という気持ちから、女性はもちろん、男性のVIO脱毛熱はますます広がっていくかもしれない。
取材・文/高田あさこ