一昔前まで「脱毛」と聞くと女性がするものというイメージしかなかったが、多様性が尊重される昨今、まさに老若男女を問わず「脱毛」へのニーズが高まっている。
その中でも空前のK-POPブームやサウナ文化の広がりにもよって、男性の脱毛熱はもはや女性を超えているといっても過言ではなさそう。
多様性の広がりやK-POPアイドルの台頭に伴い、男性の「脱毛」は身だしなみの一部に!?
なぜここまで男性の脱毛がポジティブなものとして広まったのか?
全国26院を展開する男性の医療脱毛専門院「メンズリゼ」総院長の赤塚正洋医師へ、昨今の男性による脱毛事情について伺った。
「K-POPアイドルの影響をはじめ、男性芸能人の美に対する意識が変化していったことも大きな理由だと思います。多くの男性芸能人がメディアやSNSなどで脱毛を公言していることや、手頃な価格で受けられるようになったことによって男性の脱毛への意識が高まり、今ではさまざまなニーズによって脱毛が広がっていると思います」(赤塚正洋医師)
「コンプレックスの解消」、「美を追求したい」、「いつもまでも若々しくいたい」、「身だしなみ」、「将来への自己投資」、「時間短縮やQOL向上のための投資」など、見た目や美しさを追求する上で脱毛をする男性が多いのも時代を象徴している。
ちなみにメンズリゼでは、脱毛箇所として一番多いのが「ヒゲ脱毛」。続いて「脇毛」、「脚毛」と続く。「男性は毛がないほうがいい」とする価値観もすっかり市民権を得ている時代なのだ。
「2013年9月1日~2014年8月31日」から「2021年9月1日~2022年8月31日」で比較すると、メンズリゼにて医療脱毛を契約した男性は「212倍」に増加。
来たるシニア世代を快適に過ごすために、VIO脱毛を希望する40代以降の男性が急増中
一方40代以降のミドル世代の男性ではアンダーヘア脱毛(VIO脱毛)を希望する人がここ数年で急激に増えている。「VIO」とは、Vゾーン(恥骨上部の下着で覆われている三角形のゾーン)、Iゾーン(男性器から肛門部分にかけての股のライン)、Oゾーン(肛門周辺)のデリケートゾーンを指し、注目を浴びる理由のひとつとして「介護脱毛」が挙げられる。
メンズリゼ調べによれば、「介護脱毛」を希望する男性は年々増加している。
「以前はVIO脱毛を希望されるのは女性が主でしたが、最近では介護脱毛を行なったパートナーからの勧めやテレビなどのメディアを通して知ったことをきっかけに、徐々にVIO脱毛を希望する男性も増加傾向にあります。「将来、介護者の手を煩わせたくない」、「もし認知症などになっても、少しでも綺麗に整えておきたい」など、介護者を思いやる気持ちから「介護脱毛」を選択する男性も増えていますね」(赤塚正洋医師)
2023年に行ったメンズリゼの調査によると、ミドル世代の男性でアンダーヘア脱毛を契約した人数は、5年前比で5.8倍にもなっている。